傾聴ボランティア
お三味線の姉弟子さんがまだ80代半ばのころ
「傾聴ボランティア」をされていました。
ボランティアされる側ではなくてする側ね。立派でしょ。
キタ新地のクラブのママとして培った傾聴力とおのずと身に付いた口の堅さ。
姐さんにぴったりだったと思うんだけど
時々、愚痴をこぼしてはった。
もうね。女の話ってまどろっこしいのよ。お婆さん(自分もおばあさんなのに)の話はだいたい暗いわね
そだね。ママ時代は現役バリバリの殿方がお相手だったものね。
「傾聴」とは読んで字のごとく耳を傾けることです
「聞く」ではなく「聴く」目も心も傾けて話を聞く。
姐さんは「話しを聴くのに疲れた」とボランティアをやめます。
初対面に近い見ず知らずの人への、肯定的な共感や理解に無理が生じてきたのです。ただはなしを聴くだけで終わらず、相手の辛さや悲しみを自分自身も引きずってしまった。
情の深い人だったからね。
先日
Sもっさん(ご近所の婦人)が、家庭菜園で獲れたでっかい大根を持ってやって来られました。
数日前から我が家に遊びに行ってもいいかと言われていたのだけど、私が忙しくしていて、やっとこの日になったのです。
Sもっさんは知り合って20年にはなるけれど特に親しいわけではありません。たまに、ばったりお出会いするくらい。
今回ハッキリしたけれどアタシより10歳ほど年上だった
開口一番。「わたしね最近、昔の事ばっかり思い出すの。もうすぐ死ぬんだわきっと」
と言って。いっぱいおしゃべりをされます。
ご自分の誤解と思い込み(だと私は思う)によるがん告知騒動とか
ギックリ腰による初めての尿漏れパンツ着用体験談とか
若き日のロマンス(2件)とか
誰が興味あるねん!
Sもっさん。
3時間ばかりおしゃべりして、上機嫌で帰っていかはった。
あなたが幸せならわたしも嬉しい。
人って語りたいんやね。聴いてくれるのが利害関係のない(この場合はアタシ)人物なら、なおいい。
私も、大いに笑わせてもらったしね。
「も・・っ!おたまちゃんが聞き上手だから、恋バナまでしちゃったわ。うふっ」
聴き上手かぁ まあ。人の話は前のめりで聞くタイプやね。
でも、話の中身はどんどん抜けて。今となっては何も覚えていない。
熱心に話が聞ける。しかもすぐ忘れる(引きずる危険性がない)
適性、あるんとちゃうん??
あ。いえいえ。ボランティアをヤル気は全くござらぬ自分本位人間。
絶対に無理です!
(誰からも、頼まれてなかったわ!)
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