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2018年5月 4日 (金)

おじいさんについて語り合う



ガチャピンとおじいさんについて語り合った。
おじいさんは大体において「良い人」だ。
花さかじいさんにも、小太りこぶとりじいさんにも意地悪なおじいさんは出てくるが、あくまでも良いおじいさんを際立たせるためのバーター(抱き合わせ)である。

そして、おじいさんといふものは「摩訶不思議」である。
あのひと一体どこのどなただったんだろう・・と、今にして思ふ。

(ガチャピンの場合)

彼女の実家は中国地方のとある神社。
写真を見せてもらったことがあるが、大きなお宮さんである。
子どもだったので事情は分からないが、お宮の離れのようなところにおじいさんが住んでいた。どうも病気だったらしい。おじいさんに三度の食事を運ぶのが子どもたちの仕事で、彼女はそのおじいさんが好きだったので他の兄弟よりたびたび運んだそうだ。
たまにはおじいさんと一緒に竹ぼうきで境内を掃除した。
掃いても掃いても木の葉がひらひら落ちてきた。
ある朝、おじいさんが亡くなっていた。
今思うと、あのおじいさんは今で言う、ホームレスの人だったような気がする。
身寄りのない人の世話をするお父さんだったので、そんな風に思うのだそうだ。

どこからかやってきてしばらく一緒に暮らして、自分にとても優しくしてくれたおじいさん。
ガチャピンにとっての不思議な不思議なおじいさん。

(おたまの場合)

一つ年上のスミちゃんの家は八百屋さんだった。お兄ちゃんが一人いて、弟が二人いた。
兄弟の居ない私はいつもスミちゃんちの二階で遊んだ。近所の子どもたちが大勢出入りしていた。あのころ子どもが沢山いたんだな。
店の奥に部屋がありそこがスミちゃん一家の居間である。
居間の店に近いところに一人用の小さな座卓と座布団が置いてあり、いつも決まった時間にそこに座っているおじいさんがいた。
お酒を出していたようだ。おじいさんは決まって蟹の足をしゃぶっていた。
そして、私はなんと決まっておじいさんの胡坐のまんなかにすっぽりとおさまり、おじいさんが箸でつくつくとほじくりだした蟹の身を口に入れてもらったり、時々はこっそりとコップ酒をなめさせてもらったりした。幼稚園に行く前だったのでたぶん4歳?

スガのおじいちゃん。と呼んでいたのでそれが名前だったのか。畳屋さんだったのかふすま屋さんだったのか。どこのどなただったのか。
自分に優しくしてくれたスガのおじいちゃん。

縁もゆかりも血のつながりもない赤の他人のよその小さな子に
優しくするなんて、きょうびの時代。まずないだろうな。

だから「おじいさんって不思議な存在だ」とおもう人間ももういないだろうな。

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コメント

昔って地域の人はみんな親戚みたいで、おじいさんはたいてい偏屈だからとっつきにくい気がしてました。不思議で優しいおじいさんはいなかったかも…人見知りがはげしかったので大人から可愛がられるということがなかった気がします。
家にも、母の実家にもおじいちゃんがいたし、近所にもいました。キセルのたばこと綿入れのちゃんちゃんこ。火鉢の前が特等席。
夏は縁側で涼んでた。あまり口を開かなかったのでおじいちゃんの声を思いだせません。

投稿: ばんび | 2018年5月 4日 (金) 19時09分

私はおたまさんの昔の話が特に好きです。
なんとも言えない温かいほんわかとした気持ちになれます。
そして、おたまさんの人間性に触れることができて、ハイソな生活を送っていらっしゃるだけの方でなく、他人の気持ちが分かる優しいおたまさんが大好きです。
そして、お孫さんたち、かわいい盛りですね!
明日の子供の日はおたまさん家に来襲でしょうか・・・

投稿: ペコ | 2018年5月 4日 (金) 23時55分

ばんびさんへ
そうですね。地域が密接な関係だったのですね。今はどこにどんなおじいさんが住んでおられるのか全く知りません。

子どもの頃福岡にいたのですが、選挙に必ず出馬するおじいさん(?)がおられて、その人ちょんまげを結っているんです。ファッションとちがいます。選挙ポスターってあのころ電信柱にペタペタ貼っていませんでした?
それと別に近所にもちょんまげを結って白髪の髭を生やしているおじいさんがいました。
やっぱり。摩訶不思議^^
ちょんまげの生き残りをリアルで見た私って何歳?妖怪かもしれん。

ペコちゃんへ
ハイソだなんて!滅相も無いですよ。
貧相です
子どもの頃って周りがこどもだらけだったような気がします。
大人は忙しいので子どもにかまっていられない。子どもは子どもの世界がありましたね。

GW後半は予定があるから!と言ってあります。(今日も今から出かける)
でも聞こえなかった振りしてくるかも・・
怖いです。

投稿: おたま | 2018年5月 5日 (土) 11時11分

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