シミよさらば。其の①
「暗い過去」シリーズ
(・_・)エッ....?そんなシリーズあったっけ?
第7弾です。
今から10年ほど前。
ひっちゃんはまだ生きており、お三味線の師匠は70代の前半だった。
吾輩には一年前くらいから右目の下、目じり寄りのまつ毛の際のところにほくろのようなものが出来ていた。
あまり気にもしていなかったのだが、ある日ひっちゃんが「おたまちゃん。それどないしたん?」と言った。
そう言えば最近、顔を洗うとき指先に触れる感じがしていたのだ。
「それ」は少しずつ成長していたようだ。
その日、回覧版を持ってこられたYさんにも「それどないしたん?」と言われた。
ダブル「それどないしたん」攻撃である。
病院でみてもらいなさい。と言われ
思い出したのが、お三味線の師匠のお気に入り「K病院」だった。
「500円でシミ取りしてくれはるねん。お友達にも7・8人紹介したからここら辺の人、みんなK病院でシミ取ってはるねんよ」
「おたまちゃんも行き!」と勧められていたのだった。
あんれまあ~
おたまのどこにシミがあるというのだ?え?
あんの頃わぁ~~~ハッ!!
まだまだ強気だった。しみじみそう思う。
(シミとしみじみ、掛けてるよ。ついてきてや)
それより、齢70をとっくに過ぎたご婦人方が我も我もと「シミ取り」に押しかけるさまに、驚いたものだ。
女っていつまでも女でいたいのね。
「爺さんか婆さんか見分けのつかない年寄になる」のが目標のおたまには理解しがたかった。
当時、齢70はおたまにとって「もう・・ええやんか」に相当する年齢だったのだ。
師匠に病院名をもう一度きちんと尋ね、行き方をおそわった。
「うん。行っておいで、行っておいでやっとその気になったんやね」
No!No!
シミではなく目の下にコロコロしたものが・・と言いかけたけど
「先生がたくさんいてはるけど、おばあちゃん先生に診てもらうのよ」と念を押され出かけて行った。
大阪市内にある結構大きな複合病院で、その日は年末の最終診療日だった。
「皮膚科」で初診受付をし、名前を呼ばれるのを待った。
診察はその病院の副院長で、それはもう・・・・
「皮膚科」の先生にふさわしく。・・お肌に説得力がある!
美しい女先生だった。40代かなあ。
シミ・しわ・くすみとは全く無縁。きめの細かいもち肌を、おたま成りかけの老眼でしげしげとながめましたがな。
(後で聞いた話では当時アラカンだったそうです。信じられん)
きれいな副院長先生はおたまの顔を撫でくりまわし。
「ここの組織をとって「良いものか」「悪いものか」調べてみましょうね。
お顔のことだから、きちんとしましょうね」と言った。
お肌のみならず声もすずやかで美しかった。
この先生に「お顔のことだから」といわれると有無を言わさぬ強いものがある。
いやいやいやいや。その前に・・・その前に
「悪いもの」ってなんやねん!
そんな大事(おおごと)のハナシになってますんかいな。
とりあえず、今年の診療は今日までだから年始一番の木曜日に来てくださいとのことだった。
「木曜日に専門の先生が来られるので診ていただきましょうね」といわれた。
それが、おばあちゃん先生なんやろか・・
この美人先生は「専門外」なんやろか・・
「皮膚科」の先生とちがうんかい!
ということは・・・
その夜、ひっちゃんに事の次第をはなし、
化けて出ないから、なんやったら再婚してくれてもいいでと言った。
「そんなもん、子どもも親も居るのに誰がきてくれるねん」
自分自身には全くマイナス要素が無いような言い方だった。
ノー天気な男である。
「それより今日の晩ご飯なに?」
彼の辞書には「美人薄命」という四字熟語は載っていないのか。美しい妻がはかなくも可憐な花びらを散らそうとしているのに・・・
後半へつづく。
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コメント
おたまさんって、邦楽もなさるの?
芸者をしてた母が邦楽ひととうりしてた。
懐かしくなった。私はなーんもできない。
顔に出るものって、あまりいじるなって
いうよね。昔の事で、手遅れか。
続きはよ、よみたい!
投稿: やまあらし | 2014年7月 1日 (火) 09時18分
おはようございます!
このお話し、凄く気になります^^
というのも私の連れ合いがやはり似たような経験をしているのです。
顔に出来ている黒い物(直径8ミリ程度?)が
なんとなく盛り上がっていて
さらに大きくなってきた気がしたので
近所の総合病院の皮膚科を受診したのです。
その病院の先生も美人の女性の先生だったそうです。
そして連れ合いの顔を見るなり
「心配いりません。
老人性しみです。」と
きっぱり言ってくれたそうです。
連れ合いは皮膚○んかと心配していったのに
別のショックを受けて帰宅してきました。
「老人性」しみ・・・
その時、まだ50代になったばかりでした・・・
で、おたまさんの事の次第、早く読みたいです!
投稿: こごろう | 2014年7月 2日 (水) 06時05分
やまあらしさん
お三味線。長い間習いましたがモノにはなりませんでした。
もともと「成り行き」で始めたので熱心ではなかったのです。
お母様、芸者さんだったのですか。その世代の方なら本物の「芸」者さんだったのでしょうね。
昔は素人の娘さんでも琴三絃は普通に習っておられたようですね。
おたまは、博多っ子なのですが、芸事の盛んなところで、普通のオッチャンが三味線をたしなんでおられ、ドンタクの時などそれはもう賑やかでした。
こごろうさん
今のところ「コロコロ」したもののハナシです。「シミ」はこの後出てきますので、お待ちください。
8mmって大きいですよね。
投稿: おたま | 2014年7月 2日 (水) 07時53分
おたまさま、<爺さんか婆さんか分からない年寄り>等なってはいけませんで。最近東京でもそういうのを見かけますが、あれはバケモノよりもたちが悪い。オソロシイデス。
投稿: アンヘラ | 2014年7月 5日 (土) 21時27分
アンヘラさん
「男顔」のおばあさん。
「女顔」のおじいさん。
あこがれます・・・。
東京で増殖中なのですか?
投稿: おたま | 2014年7月 6日 (日) 09時04分