不思議話

2017年4月29日 (土)

来世でお会いしましょう


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早急に必要なわけではないが、前から欲しいものがあり
気に入ったものが見つかったら買おうと思っていた。

大阪へ出たついでに卸売りの商店街を歩いた。
友人と二人店内にはいろうとしたとき、入り口に立っていた店主らしき人が「あーっ」と小さく声をあげ続いて「えーっと。顔・・・・」と言って自分の顔に両手を当て押し付けるようなしぐさをした。

「私の事知っていますよね」
「どこかでお会いしたことありますよね」

先に店内に入った友人のことか?私か?という意味で彼女?私?と指を指した。
私だという。

友人が振り向いて「それは女性へのアプローチの常套手段よ」と笑いながら言った。
しかし店主はかなり真剣で自分の記憶を手繰り寄せるような眼をした。

「この店に来られたことありますね」
「NO」
「店の前を通ったのかなその時、おみかけしたのかな」
「ここに来るのは10年振りです」

「前世で会ってるのかもしれませんね」
冗談めかして言ったのにその人は真面目に「そうかもしれません」と言った。
不思議な気持ちがしてお互いの顔をみた。

男性とこんなに見つめ合ったのは、もう何十年ぶりの事。
同年代だと思うけど、オジサンにしては珍しく非常に清潔感のある人だった。

やっぱりわからない・・

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ガレ風の卓上ランプがずらりと並んでいた。
西洋アンティーク。特にガレは退廃的な香りがしませんか。
見ている分には美しいと思うけど・・。

私が探していたのはシンプルでどこか懐かしいシェードのついた卓上スタンド。
ベッドサイドに置きたかった。今使っているのはソファーを買ったときに家具屋さんがサービスでくれたもので、もう長いこと使っているがお洒落すぎて落ち着かない。

一つの商品を見ていたら「気に入ったのがあればアドヴァイスさせていただきますよ」と言って店主が近づいてきた。
「胴が陶器なんです」指ではじくと心地よい音がした。
「これいいですよ・・・」
私もそう思った。きっとどんどん好きになる気がした。

お店の人に梱包してもらい会計をしてもらっているあいだも、店主は不思議そうに首を傾げていた。

「じゃあ来世で・・」
「そうですね」

と言って店をあとにした。

clover

友人が「あの人、本当におたまちゃんに会ったと思ってはったみたいやね」
「たまに電車なんかで”懐かしい・・”と感じる人に会う事あるよね」

彼女は「人間は何回も生まれ変わる。だから男だったときもある」と言って女人結界なんか平気で破ってる(数メートルだけど)人なのでとっても楽しそう。

前世を覚えていたらいいんだけどね。
ま。それもややこしい話やな。

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2017年2月 2日 (木)

夢の先・・・女の子編


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前から誰かに聞いてみたいと思っているのだが
夢の中の「声」というのは耳から「音」として聞こえるのだろうか。
・・・・・
例えば会話は自分の脳を通しているだけで「音」として耳で聞いているのではない。
そして、音楽や鈴の音やサイレンを「耳」で聞いたことがない。

つい最近。夢の中で夫に呼ばれた。
それは間違いなく「音」であり、耳から聞こえ
ああ彼の声だと思った。そうそう。こんな声だった・・・。
とも思った。

clover

今回以外に、一度だけ「夢で音を聞く」経験をしている。
右の耳の傍でその「声(音)」ははっきりとこう言った。

「今日でお別れだからこの子は泣いているんよ!」

中年の女性の声だった。
私は夢の中でその声に聞き覚えがない・・と思っている。

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左の方向に帯のようなものが長く伸びている(その色も模様もはっきり覚えている)
その先に小さな女の子が立っている。
少女というより赤ん坊に近い小さな女の子・・。

私はこの女の子が誰であるのかを知っている。
決して悲しくて泣いているのではないことも知っている。

clover

自分が人生で経験した最大の「不思議話」の最終章だけを今、ピックアップしてここに書いているわけだが、ここに至るまでの長い話はまた気が向いたら書きたいと思っている。

 

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夢を見たその日の昼に私は墓参りをしていた。

それは偶然だったのか必然だったのかよくわからない。
長い旅路の果てに、やっと見つけ出した(と言ってもいい)女の子だった。

その日は彼女の70年目の命日に当たっていた。
その事は後日判ったことであった。
今から、20年ほど前の秋の日のことである。

「今日でお別れだから・・・」

声の主はわからない。
が。
女の子は遠いところへ行った。と信じている。


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2017年2月 1日 (水)

夢の先・・いとより編


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正月に次男と小さな漁港に行った。
デジャヴ感がある。
そうだ。夢に見た景色だ。
夢の中の港はもっと明るく春の気配が漂っていた。

sleepy sleepy

友人にマーニャという夢占い師がいるんだけど
彼女によれば、夢は
深層心理を引っ張り出している「記憶の整理」といわれるものがほとんどだけど、中には説明の出来ないスピリチュアル(予知的な)ものもあるそうな。

・・・・・・・・・・・・・

出漁を待っていた漁船が次々に湾の外に出てゆく。
その中の一隻に乗せてもらう。
乗り組んでいたのは年配の男性と若い青年。
船が動き始めると最初は風が心地よいと感じていたが、あまりのスピードに恐ろしくなり
「おじさん。帰る!帰りたい!帰して・・」と懇願していた。

船は港口の灯台の手前でUターンする。
その時だ。
大きな魚が船に飛び込んできた。
右の船縁からは烏賊。左の船縁からは糸より。
どちらも人間の背丈ほどの大きさである。
糸よりのピンクを美しいと思ったから夢はカラーだったんだ。

浜まで引き返してもらい、自分より大きなイカと糸よりを左右の肩に背負い引きずるような形で、魚の加工場のような建物へ行く。

・・・・以下おぼろ・・・

clover

マーニャによるとイカにはイカの糸ヨリには糸ヨリの意味があるらしい。
海は無意識のエネルギー。船は近未来の予告。
いずれにせよ活きのいい魚が飛び込んでくるのは珍しい𠮷夢だと言われた。

「近々、運命が大きく変わることがあるよ」

それも、”良い方向に”

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

其の1か月後に夫が亡くなったんだけどね。

(今日のお花)

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ストック/永遠の恋

ブルースター/信頼

ソリダコ/少年

ドラセナ


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2014年8月14日 (木)

魂は口から出ていく


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ローレン・バコールが亡くならはったんやね。
カッコイイ人やった。大好きでした。 合掌。

clover clover clover clover clover clover clover

お盆には、いつも「不思議体験」を書いています。
どこに?ってここにですわ。

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大切な人を失くすと「魂」の存在をうっかり、すっかり信じてみたくなるものです。
信じた方が幸せだから・・・かもしれません。

おたまの見解は
「自分が知らないことを否定するのは愚かな事である」
ということです。

ですから、これはそんなもの「ある」というお話です。

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ひっちゃん(夫)の通夜葬儀を仕切りまくって済ませたおたまでございました。
夫の喜ぶようにやってあげたいと。そればかりでした。

おたまの友人には一切知らせませんでした。
なぜなら友人は「おたまのために」泣いてくれることがわかっていたからです。

通夜・葬儀には「ひっちゃんのためだけに泣いてくれる人」に来てもらいたいと思いました。

顔を合わせたことのない自治会の役員さんには知らせず、ご近所は仲良くしてもらったガチャピン夫妻と、お隣のご夫妻だけに来ていただきました。
既に就職していた長男の会社関係にも伏せました。

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夫を愛して下さった方ばかりが来てくださいました。

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人に好かれる人でした。

測ったように会場が埋まりました。
かねてから
「自分が死んだら○○と△△に連絡してくれたらアンジョウやってくれるわ」と言っていました。彼らはおたまとも知り合いでした。
間違いなく「あんじょう」やってくれました。

司会進行は喪主・おたまがやりました。

弔辞は15歳の時からの親友が「おまえ、何死んでんねん!」という言葉から始まりました。
友人たちは息子を物陰に連れてゆき「男は泣くな。」と言ってきかせていたようです。

「可笑しいやろ、自分は泣いてるのに・・」と息子は言ってましたが。

通夜振る舞いも精進落としも盛大にやりました。それが彼の希望でしたから。

一人っ子でしたので兄弟の味は知りませんがその代わりの人に恵まれました。
みんな火葬場まで行ってくれマイクロバスに乗り切れませんでした。

clover

さて。

魂のはなしです。

宮付きの霊柩車があいにく出払っていてベンツの霊柩車になりました。
妻も乗せてもらえるかと思いきや、後続のマイクロバスへということでした。

(その前に)
火葬場は、葬儀会館のご指定の〇〇で。とのことでしたが、
「いや、ウチの亭主は我が町の煙になります!」と言って押し通しました。
たかが、5㎞の違いです。諸々のお付き合いがあろうことは判っていますが、それは、あちらの事情です。施主はわたくし・おたまでやんす。

で。希望の火葬場に向かう車の座席にすわったとき

・・・・・・・・・・

ひっちゃんが、おたまの口の中から出て行きました。

 

それは、喉仏のところから、出て行きました。
ピンポン玉より小ぶりのふわふわした、マリモのようなものでした。
完全な球体でした。
色は白かったです。

それは、軽い咳払いと同時にぽこんと、ほんとうにぽこんとゆっくり、出てゆきました。

ははは。信じていただかなくて結構ですが、ひっちゃんでした。
「今、ひっちゃんが出て行ったわ」というと、長男が「そうか・・」といいました。

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何もかも終わって葬儀社の方がみえて

「今まで長い間、この仕事にたずさわってきましたが、初めての経験でした。こんな、ご葬儀のやり方があるのかと・・
     勉強させてもらいました!!
と平伏されました。

「スタッフ皆で話ました。あの時の奥様のご挨拶・・もう一度聞きたいです」
それは、無理やろ。

ひっちゃんに喜んでもらいたい。
それだけでした。

(葬儀の取り仕切り、何をどうしたいかは業者任せにしたら、もったいないです。自分の大切な人の旅立ちですから・・)

「おたまちゃん。完璧やったわ・・・」
「でも。可愛くない?」
「しゃあないな・・・・」 
(以上、。当時の長男との会話)

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それからしばらく色々な「体験」をしました。
それは六根(眼耳鼻舌身意)の世界ですので、説明がしにくいものです。

49日の前日。面白い夢をみました。
ひっちゃんは、行くべきところに行った・・・と思いました。
同じ日。長男がまったく同じ夢を見ていました。

なんと、夢の中で話しかけた「セリフ」が「同じ」で驚きました。

「ひっちゃん、よく似合ってるね・・」
「お父さん。それよく似合ってるわ・・・」

ひっちゃんは、真っ白の服を着て、白いまぶしいところへ入っていきました。

clover

お盆なので、今まで書いたことのなかった「お葬式」の事を書いてみました。
読んでくださってありがとう。


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2014年7月 4日 (金)

シミよさらば。其の最終回


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ということで、翌々日病院へ行った。
診察室のドアを開けると、・・・ほんま。この二人・・・

   額縁に入れると「絵」になるわ・・

「きれい、きれい。もうええよ」(もう来なくていいという意味)

そして、厳かににおっしゃったのだ。

     「ほかに、気になるところない?」

げ!何か気にしないといけないところがあるというのか・・。おたまは必死で考えた。
左の耳の下・・いえね、今の今まで全く気にもとめていなかったんですけどね
「あのう・・ここがプクッとしてるんですけど・・」

先生は顔を近づけ

「あーた。それはほくろよ。・く・ろ。それは取らなくていいの。
あーたのコレ(と右目を差し)はふくろだったのよ。・く・ろ。ふくろは取らなきゃだめなのよ」

では大きな違いがありそうだが、よくわからない。
看護婦が「やれやれ」という顔つきでおたまを見ていた。

clover

と、おばあちゃん先生は、さらに顔を近づけ
その近づけ方は尋常ではなく鼻と鼻が触れ合うほどだ。
もし。これが加瀬亮だったら、おたま・・押し倒していたと思う。

「それより・・あーた」

  「コレ 取る?」

何かを含んだような意味ありげな声のトーンだった
コ・コ・コレ・・ってなんやねん。
コレかい?
左目じりの下。小指の爪ほどの大きさで確かに周辺の皮膚よりやや濃い目の(濃いったてサーモンベージュだぜ)・・・・

え!世間ではこれをシミって言うのか!
そういえば、以前エミリーに「これ何やろ?」と聞くと「シミやん」と言下に決定を下されたことがあった。
うっそ~~~。
笑わせちゃいけないよ。と思っていたが笑われてたのか。
はははは。

そっか。これはシミなのか・・

  「と・と・取って下さい」

おばあちゃん先生は満足げにうなずき、看護婦に目くばせをした。
アイ。合点承知心得ておりますという風に彼女は暗幕へと消えた。

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再び現れた彼女。
胸の前にうやうやしく銀のお盆のようなもの掲げていた。
そして、そこから

      impact 煙が出ていた

な・なんなんだ・・やはり二人は魔法使いとその弟子だったのだ・・
イケない。ラリホーマをかけられた
おたまのマホカンタは効かないのか(レベルが低すぎる)
おお。マヒャドで約80のダメージ・・・

冷たい! 
綿棒の親みたいなものでチョコチョコと何かを塗られた。

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其処に絆創膏を貼ってもらう。
2・3日したらかさぶたが出来て自然に剥がれるから、無理にはがさないようにといわれた。

「もう来なくていいよ」
「はいわかりました。ありがとうございました」

ありがとうと言ったものの。ほんまにこんなのでシミがとれるんやろかと半信半疑であった。

お会計は、「ふくろの処置」230円と
シミ取り 515円(消費税3%含む)だった

clover

このことと相前後して、知人4名(当時アラカン)が「台湾シミ取りツアー」に出かけている。
シミひとつ=1万4千円。平均3か所を施術。4人は絆創膏だらけの顔で関西空港に降り立った。

  笑うでしかし。はっははは

で、おたまの話を聞いて
そんなん絶対、すぐに下からシミが浮き出てくるわ!
と憎々しげに言っていたが・・・

 どんなもんだい!あれから10年。
あの魔法がいかに優秀だったか

この顔が証明している。キラリ。

clover

はい。この話はこれでおしまい。
後日談として,おたまに触発されたS子さんが
デカいほくろを二つ取る話に発展するが
人が綺麗になった話は、たいして面白くないのでやめておく。


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2014年7月 3日 (木)

シミよさらば。其の③


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おたまの美しい顔にライトが当てられ
キャッ!ままぶしい!と思った瞬間メスは入れられた。

顔の傷が勲章になるのはヤクザなマドロスに変身中の多羅尾伴内くらいのものだ。
それにしても片岡千恵蔵は顔がデカかった。
あ。そんなことはどうでもいい

間髪を入れず目の下をひねり上げられた。

   ムギュ~~~~

この、おいぼれ 痩せさらばえた油っ気のないカスカスの小っちゃな、おばあちゃん先生のどこにこんな力が隠されていたのか・・・

この人やっぱり医者やってんなと変なところで感心する。

   ムギュ~~~~

やめちくれい!。顔がイガム(ゆがむ)

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「ぎゃっ!」 (おばあちゃん先生の声)
「なんか、入ってる」「見て見て」と弟子を呼ぶ

「ぎゃっ!」 (おばあちゃん看護婦の声)

「あっ!ああああ・・」 (二人の声)
「何か出た!」
「転げた・・そこそこ。」

 ・・・・・・・ 3秒ほどの沈黙の後。

「いややねえ。初仕事がこんなんで・・ふふ」 (魔法使い)
「ほんまですね。正月早々・・ふふ」 (その弟子)

clover

おたまの美しい顔から出た物は
仁丹の親くらいの大きさで・・と言っても分りにくいか。
陀羅尼助よりもっと小さい。マーブルキャンデーをロレロレしてたら最後の最後に残る白い球みたいなものだった。

脂肪のかたまりかなんかじゃないの?
金目のものが出せたら

      おたまサイババだよ。

clover

で、絆創膏を貼ってもらい、それがはがれないように眼帯をしたのだけど上手く収まらない。
結局、顔の右半分をガーゼで覆ってからテープ止めされた。
見た目。重病人。

げげ。これで電車に乗って帰るの?
案の定、乗客の98%の「見てはいけないけど見てしまう」ビーム。を感じながら家路につく。

《顔面ガーゼ》
あの「サンマで大やけど救急車搬送事件」以来だ。

二日後に傷口を見せに来なさいといわれた。

clover

夜。帰宅したひっちゃんには、当方からは何も言わなかった。
見ればわかるだろう!この顔面ガーゼ!

おたまが、今日どれほどの大手術をしてきたかが・・・

そして、口数少なく、しょんぼりした風情を漂わせてやった。

「どうやった?」
「ううん。なんでもない・・・down

正直と言うか素直というか単純というか いや

   ノー天気なんだ。この人。

「なんでもないんや。良かったな」だってさ。

ばかばかしい。すぐにガーゼをひっぱがしてやったよ。
単なる「おさえ」なんだからさ。
ず~っと夜までつけてて,暑かったぜ!

clover

そして、話はいよいよ本題の「シミ取り」に入るんだけど

え?まだ本題に入っていなかったの?
とおっしゃるムキには申し訳ございません。
あと一回で話終わらせるから、ご辛抱くださいませ。ふう~っ。


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2014年7月 2日 (水)

シミよさらば。其の②


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明けて元禄十四年・・ちゃうちゃう。
松飾も取れていない新春早々、K病院へ行った。

大阪市のほぼ中心にもかかわらず都会的雰囲気には程遠い、
昭和のかをりいっぱいの商店街アーケード。
重い心に悲しみを抱き・・・

え~~と、ちょっと待っててね。
あの時詠んだ俳句がありますねん。探してきますわ。
感動ものやでgood
・・・・ごめんちゃい。今見てきましたがひどかったので
CUT!

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診察室に入ると紛れもない「おばあちゃん先生」だった。
身の丈5尺足らず。少し前屈みの痩躯。
ひっつめたグレーの頭髪。
キラリと光る縁の眼鏡をかけておられた。

おたまの目指すところの
「爺さんか婆さんかわからないお年寄」だ。

傍らには先生とほぼ同じ身の丈ながらこちらは、若干、小太りの看護婦さんが控えていた。
凡庸な男子がドキドキするナース服ではなく手首のところでゴム止めしてある割烹着のようなものをお召である。
ちなみに、先生は理科教師のような白い上着の裾が床上10センチあたりまで伸びていた。

二人そろって・・・・「絵」になるgood
う~ん。なんちゅうたらいいのかな・・独特のお二人。

合わせて150歳越えは間違いない!

三味線の師匠から「あの人らコンビやねん」と聞いていた・・・
その、ナイスカップルが目の前に・・・

二人とも白いものをお召しだったはずなのに、いまでも、おたまのイメージジは黒ずくめの、おまけに先生はフードまで被った。

    魔法使いとその弟子。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「どうしましたか?」
「ここのとこに、コロコロしたものができまして・・」

「そこに座って」ベッドを指された。

clover

前回この病院に来た後で知ったのだが。
K病院は「肛門科」で有名で、まあ当時腕のいい先生がおられたのだろう。
「お尻切るならK病院」と、もぱっらの評判だったようだ。
患者も「そのむき」の方が圧倒的に多いということだった。

で、「そこへ」と言われたベッドの壁には

  「下着を脱いでこの姿勢でお待ちください」

と、ご丁寧に中年男性の写真(しかもデカい)が貼ってあった。
イラストにすればよいものを・・。この人

ようモデルをヤル気になったなあ・・
と四つん這いの男に見入っていると。

「はい。こっち向いて、そこに腰かけて!」と言われる。
「腰かけて」・・・ほっ!。ベッドに登らなくていいんや。

clover

「ふくろやな・・取る?」
え?ふくろ?大入り袋?山で鳴くフクロウ?

「今、取る?取っとこ!(とっておこう)」
とっとこハム太郎・・・話の進度に追いつかない。

「あのう・・組織検査は・・」

「あ。いらんいらん」
魔法使いは書き物をしながら顔を上げずに手だけ振った。

      impactほんまかいな・・・

じゃあ、おたまの年末年始は何だったの!
遺言書作成しかけてたんやで。

clover

ちっこい二人に「こっち。こっち」と導かれ診察室の裏手へ回った。

待合室から見るといくつかの診察ブースに分かれているが中に入ると衝立の後ろは共有の広いスペースでその端に奇妙な椅子が置かれていた。

歯医者の診察椅子のようでそうではない。ベンベン。
椅子の両サイドにサスマタのこどもみたいなものが付いている。

さすがおたまは経産婦だ。
見てすぐにはは~~ん。と思ったscissors

   これ。分娩台じゃん。

ここで、産め!ってか。おたまに何を産めというのだ。
それに、この病院に産婦人科はなかったはず・・・

落ち着くんだ。
勘違いだ。これは分娩台ではなく

   痔疾手術および処置のための椅子なんだ~~

clover

兎に角、その椅子に座れと言われた。
寝転ばなくていいのね。開脚しなくていいのね。

おたまの痔じゃなかった、目のオペ(?)の説明があった。
プクンと膨れているところを2mmほどメスで切開し、中にある水だか何だかわかんないけどそれを出す。

おばあちゃん先生は光るものを取り出した。

                   (明日へつづく)


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シミよさらば。其の①


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「暗い過去」シリーズ

(・_・)エッ....?そんなシリーズあったっけ?
第7弾です。

scissors

今から10年ほど前。
ひっちゃんはまだ生きており、お三味線の師匠は70代の前半だった。

吾輩には一年前くらいから右目の下、目じり寄りのまつ毛の際のところにほくろのようなものが出来ていた。
あまり気にもしていなかったのだが、ある日ひっちゃんが「おたまちゃん。それどないしたん?」と言った。
そう言えば最近、顔を洗うとき指先に触れる感じがしていたのだ。
「それ」は少しずつ成長していたようだ。

その日、回覧版を持ってこられたYさんにも「それどないしたん?」と言われた。

ダブル「それどないしたん」攻撃である。

clover

病院でみてもらいなさい。と言われ
思い出したのが、お三味線の師匠のお気に入り「K病院」だった。

500円でシミ取りしてくれはるねん。お友達にも7・8人紹介したからここら辺の人、みんなK病院でシミ取ってはるねんよ」
「おたまちゃんも行き!」
と勧められていたのだった。

あんれまあ~
おたまのどこにシミがあるというのだ?え?

あんの頃わぁ~~~ハッ!!
まだまだ強気だった。しみじみそう思う。
(シミとしみじみ、掛けてるよ。ついてきてや)

それより、齢70をとっくに過ぎたご婦人方が我も我もと「シミ取り」に押しかけるさまに、驚いたものだ。
女っていつまでも女でいたいのね。
「爺さんか婆さんか見分けのつかない年寄になる」のが目標のおたまには理解しがたかった。
当時、齢70はおたまにとって「もう・・ええやんか」に相当する年齢だったのだ。

clover

師匠に病院名をもう一度きちんと尋ね、行き方をおそわった。

「うん。行っておいで、行っておいでやっとその気になったんやね」

No!No!
シミではなく目の下にコロコロしたものが・・と言いかけたけど
「先生がたくさんいてはるけどおばあちゃん先生に診てもらうのよ」と念を押され出かけて行った。

大阪市内にある結構大きな複合病院で、その日は年末の最終診療日だった。
「皮膚科」で初診受付をし、名前を呼ばれるのを待った。

診察はその病院の副院長で、それはもう・・・・

「皮膚科」の先生にふさわしく。・・お肌に説得力がある!
美しい女先生だった。40代かなあ。
シミ・しわ・くすみとは全く無縁。きめの細かいもち肌を、おたま成りかけの老眼でしげしげとながめましたがな。

(後で聞いた話では当時アラカンだったそうです。信じられん)

clover

きれいな副院長先生はおたまの顔を撫でくりまわし。
ここの組織をとって「良いものか」「悪いものimpactか」調べてみましょうね。
お顔のことだから、きちんとしましょうね
と言った。
お肌のみならず声もすずやかで美しかった。

この先生に「お顔のことだから」といわれると有無を言わさぬ強いものがある。
いやいやいやいや。その前に・・・その前に
悪いものimpact」ってなんやねん!

そんな大事(おおごと)のハナシになってますんかいな。

とりあえず、今年の診療は今日までだから年始一番の木曜日に来てくださいとのことだった。
「木曜日に専門の先生が来られるので診ていただきましょうねといわれた。

それが、おばあちゃん先生なんやろか・・
この美人先生は「専門外」なんやろか・・
「皮膚科」の先生とちがうんかい!
ということは・・・

clover

その夜、ひっちゃんに事の次第をはなし、
化けて出ないから、なんやったら再婚してくれてもいいでと言った。

「そんなもん、子どもも親も居るのに誰がきてくれるねん」

自分自身には全くマイナス要素が無いような言い方だった。
ノー天気な男である。

「それより今日の晩ご飯なに?note

彼の辞書には「美人薄命」という四字熟語は載っていないのか。美しい妻がはかなくも可憐な花びらを散らそうとしているのに・・・

                         後半へつづく。


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2013年12月12日 (木)

ほんまでっか~み・・水が欲しいの巻


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(きのうの続きです)

おいちゃんが仕事から退いたころ、
村の共同墓地の整地の話が持ち上がりました。

時間も体力もあったおいちゃんは、村の有志を集め、ボランティアで整地を手伝うことにしました。

おいちゃんのお父さん(ひっちゃんのお祖父さん)のころはまだ、土葬でした。
山の斜面を切り開いてできた墓地は結構急で道も石ころだらけでした。
播磨国風土記にも出てくるこのあたりの歴史は古く、墓地もかなり古くからあったようです。
重機など入らない斜面ですのでほとんど手作業だったそうです。
clover

無縁仏になっている古い墓石を山裾に移し、一か所にまとめて誰でもがお参りできるようにしました。
あいまいになっていた区割りをし、お年寄りでも歩きやすいように道を整地しました。
下から閼伽おけを運ばなくてもいいように中腹に水道を設けました。
下の入り口には区割りの看板を作り、「あそこの何番目が誰それの墓じゃ」とわかるようにしました。
看板はおいちゃんのアイデアだったらしく、そこのところは自慢げに言っていました。

clover

「墓をいろうた(さわった)」
というのは、そういうことでした。

「無縁さんがいっぱい憑いてられる」

おいちゃんにすれば村の皆が喜ぶと思ってした「善い行い」と思っていたので困惑したそうです。

「それで、どがいすればいいんじゃ?」と霊能床屋に尋ねますと
明日から、毎朝、茶碗一杯の水を玄関と縁側にまき、般若心経を挙げなさいとのこと

「それは、楽じゃいや(簡単なことだ)」
田舎のお年寄。特においちゃんは元々信心深い人で、お仏壇に向かって般若心経を唱えるのは日課だったのです。

翌日から、言われる通り水をまき、「サービスじゃ」と言って心経は3回唱えました。

clover

さてさて。それからが、摩訶不思議なお話です。

一週間後、おいちゃんは入院の支度をして大学病院に行きます。
失明寸前の緊急手術を申しわたされていたのです。

術前の診察でお医者様やスタッフに異様な空気が走りました。
長い間待たされました。
どこからかたくさんのお医者様が集まってこられました。

「どっこも悪うないから、帰れ。と言われたんじゃ

 狐につままれたのはおいちゃんよりも医者のほうじゃった。」

で、おいちゃん。テレビはちゃんと見えたの?
「おお。そうよ。楽じゃわい。よう見えた」

clover

それから、しばらくして
碁会所であの霊能床屋にバッタリ出会います。
床屋さんとは囲碁仲間でもあったそうです。

「玄関と縁側に水をまきよるで」というと

「あんた。まあだそんなことやっとるんかい。あれは三・七。二十一日間でええんじゃが」と言われたそうです。

おいちゃんは、それでも「無縁さんが欲しかろう」と水まきと般若心経(サービス込)はいまだに続けているそうです。

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季節外れのお話はこれで終わります。チャンチャン。

clover

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2013年12月11日 (水)

ほんまでっか~田舎のおいちゃんの巻


baseballbaseball


冬のミステリーも面白いでしょ?
そうでもないか・・余計に寒いですわね mist

clover

おたまの姑さんの実家は鳥取県に近い兵庫県の山の中にあり、弟である「おいちゃん」が跡を取っています。

おたまは、この優しいおいちゃんが大・大好きです。
もう。80半ばになりました。

姑の遺言で姑の兄弟・親戚誰にも知らせず家族だけで葬儀を終えて家に戻ったとたん電話が鳴りました。
おいちゃんからでした。
「今朝がたネエ(姑)があいさつに来た」といいます。
ひっちゃんが事の次第を話して、少し叱られましたが初七日には田舎から出てきてくれました。

不思議なこともあるものやねえ・・
いや。もっと不思議なことがあったんじゃ・・と

その時に聞いた話です。

clover

70歳近くになって、ようやく仕事から手を引き「これから楽隠居じゃわい」と思っていたある日。テレビが壊れたそうです。
画面がチラチラして映らなくなったので電器屋さんに行きます。

でも、どのテレビもチラチラするそうです。

友人でもある電器屋さんが「そりゃあ。悪いんはテレビじゃのうて、あんたの目じゃ!」

ということで近くの眼医者に行くと大きな町の大きな病院にすぐに行けとのこと。紹介状を持って大学病院に行き「あんた。目がみえんようになるで」ということで、すぐに手術がきまりました。

「どがいじゃい?(どうなっているの?)」と思ったおいちゃんですが、、手術まで1週間ほど間があったので床屋さんに行こうとおもいました。

clover

その床屋さんは「腕はもひとつ(おいちゃんによると)じゃが、あん摩がすごくうまいので昔から行ってる」とのことでした。

いつものように散髪してもらい、いつものようにあん摩に取り掛かろうと、床屋さんがおいちゃんの肩に手を置いた瞬間。
床屋さんは「オッ」「ウッ」と声にならない声をあげ

「どがいしたんじゃ。あんたにいっぱい憑いとるで」

と言われたそうです。
実はこの床屋さん。繁盛の原因はもう一つあり
「よく、見る」(霊能力のある人)ということで人の出入りが絶えないのでした。

「あんた、最近何かいたずらせんかったか?」と聞かれました。

おいちゃんは真面目一直線。石部金吉を絵に描いたような人です。

「墓かなんかいじらんかったか?」

おいちゃんには、思い当ることがありました。

clover
120327_010

長くなるので続きはあしたね。
ぞぞっとしたい方読みに来てねhappy02

clover

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