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2021年2月 3日 (水)

一世一代・女殺油地獄



前回、歌舞伎の舞台を観たのは昨年の「松竹座・初春公演」だったので
丁度、一年前という事になります。

こんなにながく、お芝居を観なかったことはないです。
悲しいです。
チュライ。

 
日曜日、Eテレ「古典芸能への招待」で片岡仁左衛門の
「女殺油地獄」(をんなころしあぶらのじごく)
を放送していました。
2009年6月歌舞伎座公演。仁左衛門一世一代の舞台。
一世一代。すなはち、ラストステージであります。

この舞台は2009年の秋にEテレ「芸術劇場」(当時)で放送され
前のブログ(Ⅰ)に感想をUPしています。今から12年前の事です。

今回、全く同じものの放送なのに、不思議や不思議
仁左様もワタクシも12歳、年をとっていました。
(言うてる意味わからんでしょ^^)

 
1964(昭和39)年、片岡仁左衛門(当時孝夫)20歳の出世作と言ってよいでしょう。
主人公の若者は23歳という設定。ほぼほぼ、実年齢に近く
観客は孝夫のダイレクトな若さそのものを芝居に見たのです。

若さゆえの弱さ、不条理、短絡、無茶・・
本当に些細なちょっとした行き違いから陰惨な場面へと舞台が転換してゆくその面白さ。
仁左衛門はこの芝居を「密室の美学」と今回の放送で言っておられました。

 
生の「若さ」を「芸」の力で持っていくのは「今が限界」と決断されたのが2009年。
御年65歳のみぎりという事になります。
この、潔さ、折り合いの付け方こそが仁左衛門の「美学」なのです。
果たして、名優片岡仁左衛門をもってしても、いつかは客が納得できない日がやって来たのでしょうか
などと、ワタクシは未練たらたらに考えます。

 

坂東玉三郎さんがこういう事を言っておられます。
ご自分の志の事だと思います。( )はおたま注
(歌舞伎俳優として芝居は)
人間が生きていく中で出会う、多くの困難を乗り越えていくための、心の慰めでありたいと思う。

そうだったんだ。と思いました。
私は歌舞伎が好きで長い間観続けてきた。
舞台の美しさ華やかさに魅せられ
遠い空間、遥かな時間へ誘われ
ああ、いいお芝居だった。と劇場をでるときの満足感。


私にとって歌舞伎とは
「たましいをなぐさめてくれる」ものだったのだと。
しみじみ (´;ω;`)ウッ…

 
早く、お芝居を楽しめる日がやってきますように!!

 


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コメント

Eテレ見ました。良かったです。
油で滑るシーン、うまい演出だなあと思いました。あれってふのりなんですね。
これでもかというくらい落ちてしまう与兵衛の表情、仁左衛門っていい役者さんですねえ。御園座で生のお姿を一度だけ見ました。与三郎がお富を見初めるシーン。何という色気があるのだろうと見とれてしまいました。
人の心を潤すもの、そんなお芝居を作りたいとちょっと前は思っていましたが…。もう現場を離れてしまったので、今は自分が潤える物に出会いたい。春よ来い!です。

投稿: ばんび | 2021年2月 4日 (木) 22時05分

★ばんびさんへ
ご覧になりましたか!
殺しの場面、とことんやりますよね^^
仁左衛門さんも言っておられましたが、客はどこか最後まで与兵衛を憎み切れない。
成長過程のどこかで彼を救ってやることはできなかったのかと思ってしまいます。
決して周囲のせいではなく、周囲がそれぞれに与兵衛に情をかけているところも切ないです。300年も前の話なのに現代に通じる気がします。
片岡仁左衛門さまを語ればキリがない^^

ばんびさん達がやって来られたことも多くの人をなぐさめ励まし、一人一人の心に刻まれていることと思います。
自分がピュアであったころに触れたモノは特別に!です。

投稿: おたま | 2021年2月 5日 (金) 10時07分

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