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2018年10月 7日 (日)

訃報・朱旭(ヂュウ・シュウ)


baseballbaseball


夕刊に、主に絵描きさんが今までに「グッときたムービー」の一場面を描くコーナーがある。同時にその聞き語りを記者さんが文章にする。

今週は「初恋の来た道(2000年)」だった。
・・・まっすぐな想いや素朴な気持ちは何よりも強い。
思い出したときに、胸に美しいものが広がるというか、透明な空気や風で満たされる感じが大好きです。

と、ある。
透明な空気や風!まさにその通り。
すっかり忘れてしまっている何かをもう一度思い出させてくれるはず。

clover

30代から40代半ばまで中国映画をよく見た。
中国語を習い、中国の貧しい村に住む子どもたちへの就学援助にも少しかかわった。はじめは中国語の勉強になると思った。
のめり込んだのは、そんなことより中国映画は何よりも
「ああ。見てよかった」と思わせる映画が多かったからだ。

チャン・イー・モーの純愛作品群。
「初恋の来た道」「あの子を探して」「サンザシの樹の下で」「妻への家路」
これらの映画でヤン・ツィイーやコン・リーのような魅力的な女優さんを知った。

「紅いコーリャン」「黄色い大地」「青い凧」のような深い思索をもたらす問題作も見た。
見た翌日、日本での上映が禁止された作品もあった。

「トゥヤーの結婚」「山の郵便配達」「胡同の理髪師」「北京好日」・・・
派手な映像ではないのに心に残る。
生きる苦しさ。尊さを伝えて味わい深い。そんな珠玉の作品ばかりだ。

clover

そんな中国映画の中でもどうしても見たかったのに見ていない映画がある。
「心の香り」(1992)である。

この4半世紀のあいだに見るチャンスは3回あった。(10年置き位に)
1度目は何となく見逃し、二度めは入院中、三度目は旅行中の上映だった。

その主演・朱旭(ヂュウ・シュウー)さんが9月15日に亡くなっておられたとニュースで知った。
88歳。中国の演劇関係者は専門の学校で学んでおられるからだろうか、見るものを惹きつける演技力は素晴らしい。
日本ではNHKドラマ「大地の子」の主演上川隆也氏演じる陸一心の養父役で広く知られることになった。

「心の香り」
真綿嬢が色々探してくれたがDVDになっていないようだ。

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歌舞伎・映画」カテゴリの記事

コメント

いつも楽しみに拝見しています。中国映画がお好きだったとのことでつい嬉しくてコメント差し上げてしまいました。私も90年代中国映画をよく見ていました。挙げていらした映画もそうですし、特にコン・リーが出ている「秋菊物語」と「きれいなお母さん」は大好きな映画です(コン・リーはチャイナドレスもいいですが、普通の市民を演じると力強くて素敵だと思います)。そして心の香りもリアルタイムで映画館で観ました。そうですか、亡くなられたのですね。実は細かい内容は覚えていないのですが、みずみずしい映像が印象に残っていて涙した覚えがあります。何とか見られると良いですね。

投稿: りんむう | 2018年10月 7日 (日) 15時05分

baseballりんむうさんへ
こんにちは。初めましてでしょうか。
いつも読んで下さっているとのこと照れますわ
(*´ェ`*)ポッ
「きれいなおかあさん」いい映画でしたね。
コン・リーのすっぴんの笑顔の美しさが心に残っています。
チェン・カイコーの覇王別姫でレスリー・チャンと共演したときのコン・りーも好きです。覇王別姫は歴史ものとしても同性愛を含む恋愛映画としても又、京劇の素晴らしさを知る上でもスケール感と映像美で圧倒された映画でした。(香港との合作)
有名どころではなくB級(?)かもしれない映画でも面白いものが沢山あったのですが残念なことに記録を残していないので、
今となっては題名がわかりません。
美しい人妻が夫を硯の中に閉じ込めちゃうの。硯と言っても石棺のようなサイズです。
蓋をしたら二度と開けられない・・・
もう一度見てみたい映画です。
心の香りは某上映館にリクエストしてみます。朱旭さん追悼企画でどうですかって。
そんなにうまくはいきませんよね。

投稿: おたま | 2018年10月 7日 (日) 20時02分

おっしゃる映画は見たことないのですが、「硯」(1996年)という映画かもしれないです(調べてみました)。覇王別姫のコン・リーもとても良かったですね。実は上映当時に中国で見ました。細かいセリフは聞き取れなかった(帰国直後に日本語訳を見て初めてつながった)のですが、映画が公開されると街の人がみんなワクワクしながら映画館に繰り出したことは覚えています。あの熱狂とワクワクは昔の日本もそうだったのかなと、ふと思いました。

投稿: りんむう | 2018年10月 7日 (日) 23時05分

私は 「山の郵便配達」 だけ見てます。

朱旭さんは「大地の子」で、印象的でした。
あの作品の演技中、どの場面だかは忘れましたが
別れるシーンで車に乗る前だか、乗ってだか
朱さんが「じゃあ、、、」とかの台本にないアドリブを演じ、
それがピッタリはまったので
スタッフが、「さすがベテラン」
と、感嘆した様子が取材記にあったの覚えてます。

投稿: ひとみ | 2018年10月 8日 (月) 09時03分

baseballりんむうさんへ
調べていただいて有難うございます。
おっしゃる通り「硯」でした。コメントをいただいてから古いパンフレットを探してみました(断捨離が苦手で良かったわscissors
しみじみとした感動作品も良いのですが、なぜこの映画が記憶に残ったかと言うと「中国」でこんな映画を作る人がいるのだという驚きでした。才能と実力を伸ばせない現実が当時の中国には在ったからです。思った通り「硯」は本国では上映できずハリウッド経由で日本に入ったようです。中国初の官能ミステリー映画だそうですhappy01
水墨画のような街並みと千年前から伝わる因縁の石(硯)と美しい若妻と不能の夫・・・
もし今後見られる機会の為にここまでにしておきますが、とても美しく怖い映画でした。
B級かもなんて言って申し訳なかったですhappy02
同じ監督の「涙女」もよかったですよ。これもたぶん中国では上映されていないとおもいます。当時の中国が抱えていた矛盾をえぐり出した「正義の行方」これもきっと。
パンフが出て来て色々思い出しました。ありがとうございました。

覇王別姫のパンフも出てきました。
93年1月1日に香港で先行公開。
7月28日北京で一回だけプレミアム上映の後
8月初旬に上海で一般公開。期間中のチケットが即日売り切れるほどの大ヒットを記録した。
とあります。りんむうさんはこの熱気の中に居られたのね。
私は多分その秋にみたのですね。
日本では良い作品である前に良いコマーシャルベースに乗れるかどうかのようなところがあります。見ていない人。ザ・ン・ネ・ンって言ってやろ~っと。

baseballひとみさんへ
私は歌舞伎鑑賞が趣味なのですが時々、その人(役の人物)にしか見えない時があります。良い役者さんとはそういう事かなとおもいます。
朱旭さんは演じていることを、見る者に感じさせない役者さんだったと思います。

投稿: おたま | 2018年10月 8日 (月) 15時07分

初恋の来た道、2回、我也看到了。
あのモコモコの(特にズボン)服がオイラには好ましく思えました。て言うか、何気に中国映画は好きなんです、それに対してインド映画は肌に馴染まない感有りってとこです。
最近思う事、レッドカーペットにしろ各種表彰式にしろ七五三じゃないのだから普段の服装でないと映画の時との落差が大きすぎて距離を感じる、心の広くないオイラの僻み故?ですなァ。

投稿: 坂口あんちゃん | 2018年10月 8日 (月) 23時13分

baseball坂口あんちゃんへ
コメントのお返事が遅くなってすみません。
ちょっとさすらってきましたわ。ふ。
インド映画お嫌いですか?
なかなか面白いですよ。シュール加減が。
嵌まったら怖いのであまり見ませんが。

旅日記書くのでまた、読んでやってくださいね。ロマンスはありませんでした。

投稿: おたま | 2018年10月27日 (土) 15時53分

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