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2017年9月22日 (金)

草の花



草の花/季語・三秋 
 秋に咲く草花。山野や庭や道端に名前も知られず小さく可愛く咲く花の総称である。

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  「死ぬときは箸置くやうに草の花」 小川軽舟

周囲では、「好きな句」としてこの句を挙げる人が多い。
遠くない未来にやってくる、その時を端正に、ていねいに、静かに、満ち足りて迎えたい。
繰り返すつつましやかな日常が草の花という季語によく響く。

或る程度の年代に入ると、あるいは身近な人との訣れを経験すると、人は自分の死について思いを馳せるようになるものらしい。

夫のことで「死」をとても近しいものに思った。
「死」は日常の延長であり、特別な事でもなんでもない。
それは忌むべきものでも、悲しむべきものでもなく、むしろ親しい、例えば紙の裏表だと思った。
ひねってくっつければメビウスの輪だ。

母との訣れで死に方を考えた。

秋草という季語もある。こちらも同じく広く特定しない「秋に咲く」花の事を指すが、私の感覚では、こちらはちょっと立派。吾亦紅とか桔梗とか水引草とか名前がついていたりするかんじがある。しかし決して華やかではなく、はかなく、つつましやかである。

  「あきくさをごつたにつかね供へけり」 久保田万太郎

好きな句である。
供えたのは男の人。その乱暴に見える供え方が悲しみを一層深くする。

夫の葬儀の時、ずっと怒っている人がいた。
あほだ。馬鹿だと言って、夫の事を「大嫌いや」と泣いてくれた。

生きざまは粧うもの。生き方は粧われるもの
死にざま死に方も同じだと私は習った。

とりあえず、今は

大騒ぎしてみんなに迷惑を掛けて死のうかなと思っている。
「箸置くやうに」の域にはなかなか到達しようもない

  「がんばるわなんて言うなよ草の花」 坪内稔典

ずっと、この句、池田澄子さんだと思っていた。
ネンテン先生でした。
男の人ってやさしいのね。


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コメント

おたまちゃん、
「あきくさをごつたにつかね供へけり」
↑この句、私、好きやわ~。
「ごつたにつかね」の七文字に、泣きながら怒り、怒りながら泣く、
やるせなさがしみじみと伝わってきます。

投稿: 風のフェリシア | 2017年9月22日 (金) 23時41分

風のフェリシアさんへ
真情があふれていますね。
荒っぽかったり、言葉数の少ないことに強く訴えられることってありますね。
逆に饒舌すぎて伝わらないことも。

投稿: おたま | 2017年9月23日 (土) 08時02分

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