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2017年8月 6日 (日)

海のひびきをなつかしむ


baseballbaseball


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    わたしの耳は貝のから  
   海のひびきをなつかしむ

                        ジャン・コクトオ

clover

私が人生で初めて出会った詩である。

・・・・・・・・

「海すきかい?」
「ええ」

「ぼくも海が大好きだな。海を見ていると、とてもやさしい気持ちになれるから、そうして、勇気がわいてくるから。」

・・・・・

少女はシングやメルヴィルやコンラッドやポール・ヴァレリーを知っているか?と尋ねられ、
自分が何にも知らないことに情けなくなり、腹が立ってくる。
はずかしさの中で、泣き出しそうな声をはりあげてしまう。

「わたしの知っているのは、ポール・クローデルとジャン・コクトオぐらいだけです。」

・・・・・・

そして、少年からこの詩を教えてもらうのだ。

clover

今から15年くらい前、私はこの小説の作者に手紙を書いた。
図書館で借りた全く別のある本の中で偶然にもこの方の名前を見つけ、素性がわかったのだった。

10歳でこの本にであったこと。大人になっても宝物のように大事にしていること。
この小説を書いた人がどんな人なのか、いつもいつも思っていたこと。

そして、主人公の少女は大人になって「詩人」になれたのかということ。

clover

すぐに返事が来た。

その人は自分でも忘れるくらい遠い昔(学生時代)に書いた本を小さな女の子が読んでいたことに驚かれていた。
そして、詩壇の芥川賞ともいわれる「H氏賞」。「高見順賞」。「現代詩人賞」を受賞された"詩人"になっておられた。

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毎年、秋になると当地の名産を送る。

時々、本を贈ってくださる
角ばった懐かしい文字のお手紙を頂戴する。

10歳からのたくさんの日々を思いながら
見えない貝殻を耳に当ててみたりする・・・・・。


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ちびたま時代」カテゴリの記事

コメント

おたまさん、

お久しぶりです、メチャクチャいい話ですね、私が五行歌に
ハマったのも「詩壇の芥川賞ともいわれる「H氏賞」。を取られた今は亡き女性詩人が トアル写真家とコラボし京都の河原町御池の地下で展示されてるのに出会ったからです。
もう20年以上経つと思います。とても感動しました・・足下にも及びませんが、我流でガンバってます。

それと、今頃白状します。以前「名無し」でコメントしてしまったのはオイラです。うふ、もう時効ですよね〜!!ペコリ

投稿: 風 | 2017年8月 8日 (火) 21時04分

baseball風さんへ
「そなた」は風さんでしたか^^
男性だろうなとは思っていましたが・・。
ありがとうございました。

私の場合、ずっとどんな人だろうと思っていました。それが分かったのは本を手にしてから40年が経っていました。
この本のどこに惹かれたか。大人になった今なら分析できそうですが、風さんの「河原町御池」の出会いと同じく「感覚」だったのだと思います。
美しい詩を書く人だともちろんその時は知らなかったのですけどね。
風さんのように感動して詩人になるには、私は幼な過ぎたようです。
写真と詩。その方も写真家と共著で本を出されています。「東京の風景」なのですが、ワタシにはちょっと難解coldsweats01

投稿: おたま | 2017年8月 9日 (水) 07時39分

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