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2017年6月26日 (月)

妻は告白する


baseballbaseball


貴女はザイルに括られ絶壁をゆらゆらと揺れています。
上には密かに思いを寄せる若い男性。岩場に着地しています。
そして、下では年の離れた夫が岩場につかまろうと、右に左に大きく体を揺らしています。そのために貴女の胸は苦しく締め付けられてゆきます。

今この三人は一本のザイルで繋がる運命共同体なのです。
若い男性が二人を引き上げるのは不可能です。

さて貴女なら、どうしますか?

結び目の上を切れば自分と夫は真っ逆さまに谷底へ転落します。
結び目の下を切れば夫が谷底へ・・・自分一人なら上の男性が引き上げてくれることは可能です。
このままの状況が続くと遅かれ早かれ自分と夫の命は尽きてしまいます。

clover

「自分はいいからおたまちゃんだけでも助かって!早く下を切りなさい!」
ってひっちゃんやったら言うんやろな・・・
と、エミリーは言いました。
あーた。人の夫をそんなに良く思ってくれてたん?

で。お宅やったら?
うちのお父さんやったら私が苦しくなっても、締め付けられて血が止まりそうになってもブルンブルン揺れて助かろうとするわな。
私、助かる可能性があったのに、あの人のせいで道連れにされるねん。
腹立つわannoy
あ。その前に一緒に山になんか行かないけどね。

clover

「妻は告白する」
監督・増村保造  1961/大映 モノクロ

大学教授(小沢栄太郎)に手籠め(古っ!)にされ妻となった女(若尾文子)は忍従の日々を送っている。教授の元へ出入りする製薬会社の営業マン(川口浩)は彼女に同情はしているが婚約者(馬渕晴子)もおり、(この時点では)プラトニックな関係である。
そして、↑↑山の事故になる。実は教授は嫉妬心から山の経験の浅い営業マンを懲らしめてやろうという魂胆なのであった。

まあね。小沢栄太郎が絵に描いたような横暴無比なエロ親父で
これやったら、「ザイル切ったれ!」って。観客は思う(たぶん)

妻は皆さまのご期待通りザイルを切って夫を落下させる

それは殺人であったのか。自己防衛であったのか・
事故前に妻は若い男性の勧めで保険に加入していた。
あまりものタイミングの良さに疑惑は膨れる一方である。
敏腕弁護士(根上淳)のおかげで裁判に「シロ」判決が下るのだが・・

P
clover

社会モラルって時代で変わるんですね。
1961年ですからね。半世紀前ですわ。

傷者(古っ!)にされて泣き寝入り。ヨメになって隷属。って。
貞淑な妻なら夫の死に殉ずるべきやろ。って。
勝負に出たあややに本物の愛を見た(馬渕晴子)って。

みんなまとめて・・どうよ? 

映画の見どころは事故後の若尾文子の変貌。

元々、好意を抱いていた隊長・川口浩に果敢にアタック!
その執着ぶりが半端ないのでございます。

ずぶ濡れになった和服のあややがオフィスを訪ねるくだり・・
濡れた髪からは雨のしずく・・ロッカーの影から彼を見つめる
ジト~~~。どんなホラーよりも、ここ・怖いよ~。

増村監督の最高傑作ともいわれるこの作品で若尾文子はお嬢さんスターから演技派女優としての道を歩くことになる。

clover

今の世の中
もっともっとエゲツナイ事件が起きてるし、我々はそんなニュースを目にしてる。
「悪」に慣れちゃったのねあたし・・・。

結局あややは男の会社で服毒(いや~ん。彼のあとのこと考えなさいよ。)
保険金は「婚約者との新生活に使って!」という遺書
あ・あほなこと言いなさんな。そんなお金使えますか?

あやや。「悪」なら「悪」になり切れたら幸せだったかも。
でも、結局「男の愛」にすがる貴女が可哀想。

平成も30年も経って、そんな純情な女っていないわよ。
って、汚れた感想をもちました。

????

でも。この感想ってもしかして、全くのトンチンカンかもしれない。
全てが計算された、あややの復讐劇だったとしたなら・・

こ・怖いよお~~


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