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2017年1月21日 (土)

鑑定士曰く。いい仕事してますね。石切梶原


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松竹初春歌舞伎・昼の部
もう二つの演目にもふれておきます。

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(梶原平三誉石切) かじわらへいぞうほまれのいしきり
通称「石切梶原」

源頼朝が挙兵をし平家に歯向かったもののボコボコにされ(石橋山の合戦)
ここは一旦、地下へもぐり密かに勢力拡大を図っている・・・そんな時代のお話です。

・・・・・・・

物語の主人公梶原平三景時も平家方のメンバー。刀の目利きに掛けては定評のある人物です。
実際は、口の上手い寝返り男shock(義経を陥れた)なんて嫌われてるらしいけど、この際そんな事忘れちゃってください。お芝居ではあくまでも常識人。明快でさわやかな人物像として描かれています。

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イケイケどんどんの平家方である、大庭三郎景親俣野五郎景久の兄弟が仲間とともに参詣しております所に、明るい名調子に乗り梶原平三。花道の出であります。
竹本東太夫。いいですねえ。いっぺんにファンになりました。
太く明るく心地よいリズム!チョボ床のお三味線とのツーショットが「this is 浄瑠璃!」というビジュアルでこれまたアタクシのツボが刺激されるわhappy01

そこへ青貝師(ザックリいえば漆器職人)六郎太夫が娘・を伴い登場します。
大庭がかねてから欲しがっていた名刀を売りたいというのです。

ここから、この芝居の見せ場「目利き」となります。

・・・・以下。お話は略

試し切りされる囚人・剣菱呑助の「酒尽くし」が華やかで目出度い舞台であることを呼び起こさせました。ちなみに剣菱heart好きどす。赤穂義士が討ち入り前にキュッと引っ掛けたのよね。

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この演目を生の舞台で見たのは実に27年前。
大好きだった富十郎・道頓堀中座でした。
手水鉢を真っ二つに切ってその間を飛び越えて出てくる演出に「え?えっ?水が・・」と心配したのが印象として残っています(しょうもないこと覚えてますやろ)
この石切梶原には三つの型があるそうで、今回の新・芝翫さんも富十郎さんと同じ型で演られたのではと思います。知らんけど。
新・芝翫。やはり古典的な時代物がお似合いです。
古臭い(って誰が言うてんねんannoy)と言われても王道を進んでいただきたいです。

・・・・・・・・・・・
梶原平三景時/橋之助改め芝翫 大庭三郎景親/雁治郎
俣野五郎景久/橋之助 六郎太夫/東蔵 梢/児太郎
剣菱呑助/彌十郎
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(新口村) にのくちむら

いょ!待ってました。
これはもう、松竹株式会社さんからワタクシへのお年玉でしょう。
あたしだけじゃないわ。上方歌舞伎ファンの皆様にだわね

   「懐の小判こぼるる初芝居」 おたま

ご存じ、梅川・忠兵衛sweat02公金を横領しとんずら恋の逃避行であります。行く先は「死出の旅」
せめても、その前に故郷、大和国新口村へ・・おっかさんの墓参り。おとっあんと別れがしたい・・・。

恋飛脚大和往来こいのたよりやまとおうらい)の「封印切」「新口村」と続けて上演されることも多いですが、今回は尺の関係ね。ぷんぷんannoy
その代りと言っては何ですが仁佐さま。亀屋忠兵衛と父親・孫右衛門の二役という趣向でございます。

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孫右衛門といえば先代仁左衛門がその頂点を極めたと言われております。
ふふ。アタクシその珠玉の舞台を観ているのでございますよscissors
リアル御年85歳。年輪が生み出す情緒。子を思う父の真情。まして忠兵衛には実子・孝夫。梅川は秀太郎という配役でした。
演技とはどんな名優の演技であっても演じる「本人」を超えることはできないのでしょうか(何をいってるんだかわからんでしょ?)
85歳。十三世片岡仁左衛門の孫右衛門は忘れることができません。
松嶋屋の夢のような時代に自分が遭遇したという事を幸せに思います。

現・仁左衛門がいかに素晴らしい役者であろうと、客(私の事ね)が「いやん。仁佐さまは忠兵衛じゃなきゃheart04」と求めてしまっているのです。孫右衛門はまだ先よ!いつまでもいつまでも「色男」でいらして!
二役はどうしても「あ。今あれ違う人(千太郎)やで」っておもう。「なんであの忠兵衛が仁佐さまじゃないの?」って思う。

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竹藪を背に雪景色の中、黒字に対の裾模様の男女が佇んでいる。
夢のような美しさです。
美しい・・歌舞伎の舞台ってこんなに綺麗なんや・・

忠兵衛の嘆き、梅川のまごころ、孫右衛門の情愛…涙で舞台がみえないよう。
「今じゃない、今じゃない、今の事ではないわいなあ・・」
で胸をつまらせ
目隠しで忠兵衛を抱きしめる場面で号泣やわ・・

孫右衛門登場の前に万歳才造が通りかかり大和万歳を披露します。
仁佐様のお着替え時間の確保かと思いますが・・
正月らしい明るさがこの後の別れの哀しみ、親子三人の悲劇を一層引き立てるようでした。

・・・・・・・・・・・・・・
亀屋忠兵衛・父親孫右衛門/仁左衛門 梅川/孝太郎
万歳/松江 才造/亀鶴 忠三郎女房/竹三郎

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