« つぶやき | トップページ | 七月松竹座・五代目雀右衛門襲名披露 »

2016年7月20日 (水)

松竹座七月歌舞伎・鳥辺山心中


baseballbaseball


七月松竹座・夜の部

「恋や情けさておいて・・・」

「惚れたわけではない。この濁った水に沈ませておくのが不憫だったのだ」と男は言う。
男・・菊池半九郎(片岡仁左衛門)にそう言わせる女。お染(雀右衛門)はまだ17歳。

彼女、米屋を営んでいた実家の事情でこの廓(さと)に200両で売られてきたのでした。
そして、つとめの第一夜・・・専門用語では「店だし」というそうですね。
そらもう・・ドキドキですわ。
おぼこであった時代ははるか放物線の彼方へ飛び去ったおたまでも、な~んとなくわかるわ。そのドキドキ。

そっと座敷を抜け出して蛙の声を聞きながらしくしく泣いておりますと
「これ 何を泣く」と声を掛けたのが仁左様でありました。

いや~ん。うらやましい
・・蛙のしょんべんでもなんでも掛けてほしいよ。

clover

というのが二人の出会いであります。
半九郎は三代将軍家光の上洛のお供で京に滞在中。
江戸の将軍家の威勢を示す意味でも、このころはエライ華々しくきらびやかにしかも度々、上洛してはったようです。
お供のひとは、特別な行事以外は別に用事がないんです。
遊んでなしゃあない。

そんな、だらけ具合を許せない風紀委員みたいなのがクラスに必ず一人いるんですね。
坂田源三郎(翫治郎)っていいます。
源三郎は半九郎の親友、坂田市之助(橋之助)の弟なんです。
この三人とても仲良しだったのですがね、ふとしたことで、半九郎と源三郎の間で口論がおきます。
半九郎は21・2歳。源三郎はその二つ下ということでありますから、血気盛んですわ。
ついに、四条河原で真剣勝負の果し合い。

もともと兄貴の放埓ぶりをたしなめに来た弟が、行きがかりで兄の親友に討ち取られてしまいます。

clover

ささ。どないしましょう。道は二つに一つです。
人を殺めたつぐないに、ここで切腹するか
事情説明ののち、兄・市之助に仇を討たせるか・・・

原作ではここで、半九郎は市之助に説明にいくんです。
で、市之助は半九郎に「なかったことにしろ」といいます。
この辺りの話がいいんですが。お芝居では割愛されています。

切腹を決めた半九郎にお染は共に死にたいと懇願するのです。

いかなる人も遂にいく鳥辺の山を墓と定め・・・

鳥辺山:五条大橋から東方向。現在の大谷廟辺り一帯に当たります。

clover

心中と言えば、真っ先に近松物を思うわけですが
近松の男は男として大した人物ではありません。伊左衛門しかり。治兵衛しかり。
なんで、こんな男と死ぬねん!と思ってしまう。
しかも男女は大恋愛中。

同じ心中でも岡本綺堂のここが違うところやねんね。
男はあくまでも純情でかっこつけかっこいい。
女は男の真情に死でこたえる・・・

こういう形の恋もあり。ということですかしら・・
うち・・よう・・わからしません。ぶひ。

晴れ着ルックの二人が手に手を取って死んでいく様は実に美しい。
ほんと。仁左さま美しい。
おたまにとっては、この道行きシーンのためだけにあるお芝居だわ。なんてね。


tulipサイドバーのバックナンバーをクリックすると全記事がご覧になれます。
baseball2009/9~2013/8 の記事はコチラです⇒http://nurebumi.cocolog-nifty.


|

« つぶやき | トップページ | 七月松竹座・五代目雀右衛門襲名披露 »

歌舞伎・映画」カテゴリの記事

コメント

にちわ~ てかお久しぶりです^^
話に見入ってしまいました。
男はかっこつけマンですか^^

死ぬことが美学というか その辺は
まったく理解できないですが
なんかいいですねぇ
自由になって 恋愛の続きをするんでしょか^^

でわでわ

投稿: てんちゃん | 2016年7月20日 (水) 21時16分

baseballてんちゃんへ
わっ。てんちゃん!
お久しぶり過ぎる~~~
ブログ続けたらこうやって来てくれるんだあ
うれぴーよ。続けるよ。

あの二人ね。きっと初恋どうしだったのね。
しんみり。
それにしても武士ってめんどくさい^^

投稿: おたま | 2016年7月21日 (木) 07時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« つぶやき | トップページ | 七月松竹座・五代目雀右衛門襲名披露 »