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2016年7月21日 (木)

七月松竹座・五代目雀右衛門襲名披露


baseballbaseball


七月松竹座は五代目中村雀右衛門襲名公演でした。

「夜の部・口上」

東京の襲名披露は緋毛氈を敷くそうですが、大坂では薄べりのうえでの口上となります。
この型しか見たことがないので、想像してみますに、華やかさに掛けても大名跡を継ぐ人の謙虚な決意がうかがえ、自分としてはこちらが好き。
「すみからすみまでずいーと」で柝が入るのも冴え冴えとして好き。

clover

先代雀右衛門の格調のある舞台が好きでした。

直ぐ上に梅幸・歌右衛門という大スター・立女形の存在があり、先代雀右衛門は俗な言い方をすれば「割が悪い」のではと思っていました。
しかし。そのことによる若女形としての地位が彼をいつまでも瑞々しくつややかな存在足らしめた所以であり、それを全うした名優であったと思います。
歌舞伎の世界でどのように年を取っていくか(役者人生を歩むか)は本人の努力の及ばないところにある事情が大きく影響するように思います。

このことは、この新・雀右衛門においてはどうでしょう。
ビッグダディが華麗な牡丹の花なら傍らに咲く可憐な花。という印象が常にありました。
可憐な舞台顔でいつも若々しさを漂わせ、さわやかで人柄の良さがにじみ出る・・。
しかし育ちの良い、サラリとした芸風がどこか、も・の・た・り・な・い。とぶっちゃけたところを申しますと、感じるのでございます。
印象薄いんです。
最近で記憶に残るのは「荒川の佐吉」のお新。
捨てた盲目の子を、その後、子ができなかったために返してほしいと懇願する母親です。
身勝手な嫌な女のはずが、芝雀(当時)が可憐すぎて腹が立たなかったhappy01

「父親の艶っぽく色気のある濃厚な芸風を出したい」とご自分でも言っておられます。
少し羽目を外して前に出られても、その気品のある芸風は損なわれないと思います。
ぜひ「艶と情」を!できれば「上方の匂い」も併せ持つ五代目になられますように。

面長の先代と違い丸顔の五代目。
声が似ておられる。締まった口跡も魅力です。

clover

同じく夜の部に「鬼一法眼三略巻」(菊畑)

普通じゃないひと。(実は陰陽師)鬼一(きいち)さんのところへ、マル秘扱いのテキストを盗みにきたのは鬼三太(きさんだ)実はきいちさんの弟。
濃ゆいキャラの登場人物が派手で面白いのですが、又の機会にご紹介します。
時代物がピッタリの橋之助(鬼三太)が好演。歌六(鬼一法眼)の声が聴きとりにくかったわあ。なんでやろ・・

もうひとつ舞踊劇「芋堀長者」
明るく楽しくおめでたい内容が雀右衛門襲名興行の最後にふさわしく
常磐津と長唄のセッション。大いに楽しみました。
これも、↑と合わせて後日、書いておこうと思います。


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コメント

テレビで歌舞伎座での五代目中村雀右衛門襲名の口上を見ました。藤十郎、幸四郎、吉右衛門、仁左衛門~の豪華な顔ぶれのご挨拶がありました。

先代の雀右衛門は靑森に巡業に来られた時に一番前の席でしっかり見ました。京鹿子娘道成寺を踊りました。間近に見るとお歳がわかりましたが、愛らしいお顔立ちでした。観客にサービスで手拭いを撒いて、私も一本手に取ることができました。

五代目さんは60才にしてはお若い印象ですね。ご両親のスゴイDNAを受け継いでいるのですから、これからの努力次第だと思います。

投稿: のんのん | 2016年7月21日 (木) 20時16分

baseballのんのんさんへ
わー。手拭い良かったですね。上手くキャッチされたのですね^^
先代はねっとりした(良い意味で)つややかさが魅力でした。
情のほとばしる芝居をなさいました。
歯切れの悪い書き方をしましたが五代目にはもっと「演じて」もらいたい。
おおげさにというわけではありません。
ここは「しどころ」やろ!と思うところでも、あまりにもスーッと進んでしまう。
さらりと演じて印象が薄いのです。切なさや哀れさがにじんでこなければ観客の胸にはひびきません。
お染はういういしい遊女なのでそんなに色気はいりません。この役はこれで良かったとは思いますが・・
この世代の人ほんと、頑張っていただかなきゃとおもいます。
口上もなんだか最近のは特徴的な言い回しをされる方が少なくなりましたね。

投稿: おたま | 2016年7月22日 (金) 07時29分

新雀右衛門さんはお芝居を「受けてたつ」というか、相手役をたてるのがお上手、という感じです。ちょっと腰回りにぼりゅうむがありますが、可憐でかわいらしいかんじ。私は襲名が決まったあとの昨年の名古屋顔見世を拝見したのですが、藤娘では「ほうぅ・・・」「きれい・・・」というため息が客席から漏れていまして、襲名が役者を大きくするってのはほんとだな、と思いました。

投稿: ヴェルデ | 2016年8月 6日 (土) 00時20分

baseballヴェルデさんへ
〽ええ・・しょんがいな ^^
さぞ可憐だったでしょうね。見てみたかったです。これからご自分の雀右衛門を作って行かれるでしょう楽しみです。
ヴェルデさん東京・関西・名古屋と神出鬼没な印象。私もあちこと歌舞伎をみて回りたい。

投稿: おたま | 2016年8月 6日 (土) 08時27分

現在関西に居住していますので、大阪と京都で行われる歌舞伎は基本的に日帰り圏なのです。そして実家が首都圏にありますので、秀山祭は必ず行きますみたいな感じです。名古屋は関西からだとアクセスが良いので(近鉄で行けば時間は2倍だけど料金は半分)、吉右衛門丈がおいでになるならいきますわ、という感じです。

投稿: ヴェルデ | 2016年8月10日 (水) 00時54分

baseballヴェルデさん
そなんですか^^。関東にお住まいとばかり思っていました(なんでやろ?)
歌舞伎がお好きなんですね。それも知らんかった。(なんでやろ?)

7月松竹座の昼夜を記録しておきたいのだけど、なんか忙しくて・・・。
仁左さまの与三郎はう~ん・・。

投稿: おたま | 2016年8月10日 (水) 07時31分

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