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2016年1月24日 (日)

初春歌舞伎・芝浜革財布とらくだ


baseballbaseball


昼の部で「らくだ」。
夜の部で「芝浜革財布」と落語種の小品を揃えてきた。
「中車ありき」のチョイスやな・・と思ったです。

映画俳優として高い評価を受けたとはいえ、未知の歌舞伎の世界に飛び込んですぐに主役を張れるんやから、御曹司はええなあ・・と俗人・おたまが思うのだからソッチの世界の特に沢潟一門のコツコツと積み上げてきた方々はどう思ってはるんやろ・・
何て、素人が心配することもないか!

clover
芝浜革財布」(しばはまのかわざいふ)

名人圓朝の人情噺がもとになった芝居と言えば「文七元結」とこの「芝浜」が代表でしょう。
どちらも気持ちのいい江戸前の爽やかな世話物。

芝浜は初見でした。
なんと関西では初の上演ということです。
あらすじそのものも知識として知っているだけで、落語を聞いたこともないのでYouTubeで志ん生さんを見ましたよ。
(余談ですが。三代目志ん朝さんとは差し向かいでお蕎麦を食べた・・あちらは鍋焼きうどんだったけど・・仲だって、前にこのブログに書いたことがあります←自慢)

そこで初めて合点。合点。合点。
お芝居でどうもスッキリしないわけがわかりました。

clover
浜で拾った財布を持ち帰った政五郎(中車)。女房おたつ(扇雀)にそれを預けて「湯」に行きます。
ひっかっかたのはそこ
「アレ(財布)を拾ったのは夢だったんだよ・・」と言いくるめられるためには、まず寝なきゃ!
湯でお目目ぱっちりさせてどないしますねん。
落語では・・・事情を女房に打ち明けた後に、とにかく寝かしつけられる。
起きてからの湯→どんちゃんさわぎ→寝てしまう

という段取りです。
ああ。あれは夢だったのかとしょげ返る政五郎の勘違いのリアルは「湯にいく」ところからスタートさせなければ筋が通らんとおもうのですがね・・

あと、段取りというか脚本で「そうくるか~」と思ったのは
さげ。
落語では「又、夢になるといけねえ」で酒を飲むのをやめるのだけど
お芝居、これじゃダメなの?
慈善事業に全額寄付することになるんです。
観客の中には「あのお金どうするんやろ・・」と夜も眠れない人もいるかもしれないけど、ワタクシの好みとしては「答えを出してしまわなくてもいいんじゃないの」です。

・・・・・・
中車・・酒でズブズブとは言え、本来、ぼて振りで飛ぶように商いをするひとです。粋な江戸っ子の匂いをさせて欲しかったな。なんか深刻やねん。「夢だったのかなあ・・」では、すっとぼけた可愛さを見せて欲しかったわ。

新年を迎えるにふさわしい気持ちの良い演目でした
(長くなったので端折っておりまする)

思い出したからもひとつ。
幕開け。真っ暗な浜・・「くしゃみ」からはじまる演出ですが
どう思う?う~ん。

clover

「らくだ」
こちらはもう六代目松鶴でおなじみの、あの「らくだ」
松鶴さんの突っかかり引っかかりの落語、思い出しますhappy01
ほんまにやたけたやった・・

関西の笑いって、人情とか要らんねん。しみじみせんでエエねん。奥が深くなくてエエねん。
笑かしてナンボやねん。んなAFOな!の世界やねん。
教訓はいらん。説教していらん・・・
笑いに理屈なんか要らん要らんscissors

あまりにもアホらしい話なので、内容省略hairsalon

コチラの中車・・紙屑屋久六。任に合ってはったです。
薄汚くておどおどして酒飲んで豹変・・大変良かったと思います。
もうちょっと豹変し尽しても良かったかしら。

ご自分でも言っておられるように関西弁の環境で育っていたせいか、言葉に違和感がない。染五郎(名前を出すな!)みたいにゾワゾワ~とはしませんでしたで。

やたけたの熊五郎(愛之助)。軽みのある役を楽しそうにやってはりました。何か溜まってはったんかしら・・のびのびして良かったです。

clover
あいつ。やたけたな奴っちゃなあ・・

おたまのおじいちゃん(母の父)くらいの人は使ってたと思います。
やたけた・・

はちゃめちゃ。わやしょんな。どんならんな。

という、桁外れの人間そのものが消滅してしまったのか、もう今ではその言葉も聞かれなくなってしまいました。
世の中スケールのちっこい男ばっかりや!

つまらん。つまらん。


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