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2015年10月31日 (土)

シネマ歌舞伎/籠つるべ・その2


baseballbaseball


上州・佐野というところは江戸から見て
例えば、コチラ、関西でいえばどんな感じなのでしょう。
但馬とか大和とか?なんかなあ・・

田舎の人にしてはカネ離れがよろしい」とか「田舎の人の割には遊びがきれい」みたいなセリフが出てきます。

いずれにしても次郎左エ門(勘三郎)さんは「田舎の人」なれど、今が全盛の羽振りのよい商人です。
まして、好いた八ッ橋(玉三郎)の為なら持てるモノすべてを投げ出しそうな勢いです。

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真面目で金持ち。これのどこに文句があるの?八ッ橋さん。
顔?顔なのね・・。わかるわ・・男は顔よねheart同感!

ならば、貴女。
あの時、なんであの人のあばた面に笑みを投げかけたの?
あれはどういう意味だったの?
アレが全ての悲劇の始まりだったのよ。あの一瞬の笑いが彼を腰砕けの骨抜きにしてしまった。
田舎男を見て「ふと笑った」そう・・・・

あなたにとっては「ふと」だったのにね。

序幕・見染の場。この芝居最大ともいえる見せ場です。
花道、七三の見返りの笑み。さすが玉三郎は美しい。

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かたや、マビー(間夫を勝手にこう呼んでみた)。
栄之丞(仁左衛門)。職業?今は浪人です。

顔は良いけど金がない。起請文交わした恋人八ッ橋は身を削って働いてるのに、のんびり長湯なんかして男を磨いてる。早い話がロープじゃなかった、ヒモだわね。
こんな男もや~ね。
「えらいこってすで、八ッ橋に身請けの話が持ち上がってますぜ」
と聞き及び、「あかんがな」と真意を確かめにお出かけの支度。
舞台の上で風呂上がりの姿から黒羽織りへ見事な色男の出来上がる様を見せてくれる。

いや~ん。やっぱり、男は顔よheart!姿よheart!にささまああああ。

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三幕は辛い縁切りの場。

この場面。八ッ橋の心情が廓で働いたことのない、おたまちゃんにはわかりづらい。
熱心なそれでいて、真面目で誠実な(あばた面だけど)次郎左エ門をはなから手玉に取るつもりは無かった。ビジネスライクに付き合ったつもりなんだけど、男の本気を持て余すようになってくる・・・
あたしだったら、あんな甲斐性なしよりカネモについちゃうけどね。
美男は三日暮したら飽きるわよ。八ッ橋ちゃん。

でも、彼女が選んだのは間夫・栄之丞。
心底には次郎左エ門にすまないという気持ちがあって、だってあれだけ散財させて貢がせたんだもん。
「あたしゃつくづくいやになりんした」というのだが、
イヤ。あんたそれはアカンワ。結局振ったんでしょ。
その気がないのに、なぜにここまで引っ張った?それならそうと、最初から言わんかいな!

「花魁そりゃあんまり・・・」このセリフ、ジロザエモンでなくてもあたいが叩きつけてやるわ!
しかも、この時の芝居がいいんです。花魁を非難しながらも万座の席。周りに気を遣った、あくまでも八ッ橋に恥をかかせまいとする真情。惚れた弱みとはいえ。なんて優しいのこの男。

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というふうに、お話は進んでいくのでありますが、
紙面に限りもございますれば(別にないけど)だだっと端折りまして、

下男・治六(勘九郎)・・主人思いの鼻水たらしての熱演には胸を打たれるけど、なんか、もっと純朴なのがいいなあ。主人のことしか考えていない愚鈍さがほしいわけ。勘九郎、姿。身のこなしがシャープだから、賢しらさが見えるのは仕方ないですね。

立花屋女房(秀太郎)・・結構でした。この方スクリーンの、どあっぷにも耐えられる美しさ。どうなってるのかしらって思います。相変わらずの安定で、そういう世界を作っちゃう。

九重(魁春)・・八ッ橋の同僚。遊女稼業の悲しさを分かち合える立場としての、情のあるいい役。

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ここからは芝居(舞台)では深く出てこない話だけど

「村正」が伝説の妖刀であること。この予備知識があれば「殺しの場面」、幕切れの凄みの見方が変わると思います。
八ッ橋の倒れ方にその切れ味の鋭さを感じ取れるというものです。
「ハテ、籠釣瓶は、よく斬れるナァ」のセリフの怖さがよりよくわかると思います。

また、このようないわくつきの刀をなぜ次郎左エ門が持っていたのかそこら辺の事情。
さらに、彼の「あばた面」にまつわる因縁・・親の因果・・
こういったものを頭に叩き込んでからみるとこのお芝居、もっと面白いと思いますよ。

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歌舞伎をスクリーンで・・今まで2回しか見たことはありませんが
劇場の前から8列目中央正面で見ている感じ^^

帯を締める音や、畳のすり足とか・・音が拾えて臨場感あります。
二度と見られぬ勘三郎・玉三郎・仁左衛門の共演を贅沢に楽しめました。

ただし、メインではないところで、端っこのほうで小芝居しているベテランさんなんかを見たい向きには不便ですbleah


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コメント

名優の舞台をきちっと映像で残してもらえるっていうのも今の技術ならではですね。
本舞台になかなか行けない私でも、映画なら見られると思うと楽しみになってきました。

投稿: ばんび | 2015年10月31日 (土) 10時43分

baseballばんびさんへ
新しい歌舞伎ファンの、特に若い人たちの取り込みが出来たらいいですよね。
スクリーンでは豪華な着物の柄から小道具、掛け軸の絵柄とかが見られてたのしいです。
重箱すみ子向き^^

投稿: おたま | 2015年11月 1日 (日) 09時21分

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