驟雨(しゅうう)
驟雨と聞いて思い出すのは・・・・・
成瀬巳喜男の映画「驟雨」(佐野周二・原節子主演)
平凡なサラリーマン夫婦のさりげない日常がリアルに描かれる魅力的な作品である。
(確か前ブログで感想を書いた。古い邦画大好き)
もう一つが小説「驟雨」 吉行淳之介の初期の小品である。
遊戯であるはずの娼婦との付き合いに深く踏み込みかける青年の「揺らぎ」が描かれる。
女の部屋から見下ろす街のたたずまい・・・「街にあふれている黄色い光の中を煌めきつつ過ぎてゆく白い条(すじ)」驟雨である。
彼が俯瞰しているのは虚構の街なのか自分自身なのか・・・
驟雨・・・・・夏の通り雨。
強い日差しの残る中を夢のように駆け抜けてゆく通り雨。
短い時間の中の激しい一瞬。
「驟雨」という言葉を知ったのは18歳の夏のこと。
友人の手紙だった。
「夏の通り雨を驟雨とよぶそうです」と書きはじめられていた。
そのまた別の友人が今まさに「驟雨」の状態なのだという。
晴れていたかと思うと激しく降り出す夏の雨。
「驟雨」の彼女は初夏に出会った一回り年上の男性に恋をしその秋に結婚した。
「恋」は一瞬に訪れ一瞬に完結するものである。という幻想を我ら同級生に抱かせてくれた。
(ゴッホが模写したことで有名な広重の江戸百景。空が暗いので驟雨というよりも夕立です)
驟雨と夕立は気象条件は同じでも、感覚の違いがある。
季節の移ろいに敏感な日本人独特の感性だろう。
驟雨は夏の季語になっている。
春のころなら「春驟雨」。梅雨のころなら「梅雨驟雨」という使い方ができるそうだ。
、
「ヘルペスを持て余したる梅雨驟雨」 おたま
、
はあ~~~。夏の恋には程遠く、色っぽさのかけらもない
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コメント
驟雨、この字、読めませんでした。従って映画もみたことありません。でもオイラも映画は洋画、邦画を問わず好きなほうです。といっても今年は2回しか行っておりませんけど。オイラが回数的に一番行った横浜の映画館名は「ジャック&ベティ」と称します、昔懐かし英語の教科書名。最近の映画館って変わった名称が多い?。
で、オイラの一番好きな映画は月並みかもしれないけど高峰秀子の「二十四の瞳」、特にラストの「仰げば尊し」が流れ、大石先生が雨合羽を着、自転車を漕いでいくシーンなのでありんす。ユーチューブで何回見たことか。
(追)オイラは別名、ものぐさ太郎と申します。ブログに記事やリコメントを書くなんてとてもとてもでやんす。故にブログをお持ちの方には3歩下がって首を垂れています。
昔の面白い事、そのうちボチボチ勝手に書かせてもらいます。
投稿: 坂口あんちゃん | 2015年7月23日 (木) 01時02分
古い邦画は古い日本人に会えるので好きです。こんなきれいな言葉を使っていたんだとか、今はなくなったしぐさとか、重箱の隅をつついて見ています。
ブログってずぼらなワタクシでも続いていますよ^^
投稿: おたま | 2015年7月23日 (木) 08時07分