秋に書く手紙
少し緊張する人に手紙を書きました。
詩人。男性です。
丁度この時期、年に一度だけ手紙を出すのです。
書き出しは気取ってみたけど、
だめだわね。すぐにボロが出る。
ない袖は振れぬ っていうのですね、こういうのを。
(ん?使い方間違ってますか?)
ブログ左にある「掛け軸」
消光(しょうこう)という言葉をこの年齢になって初めて知りました。
消光・・日々を過ごすという意味。自分に対してへりくだって使うそうです。
消えゆく光・・この造語の巧みさと美しさに日本語ってすごいと思います。
先日の句会で「消光」を使った句が出ました。
黄桃を喰らい口を汚している自分の「消光」を詠まれていました。
消光という古風な格調と、「喰らい。汚す」という俗っぽい荒々しさの取り合わせがテクニシャンだなと思いました。
先生と作者以外は「消光」の意味を解りませんでした知りませんでした。
とほほ。
昔の人の手紙文によく使われたそうです。
同じように不佞 という言葉も話題になりました。
これは、手紙の末尾に使います。
佞(ねい)・・おもねる。こびる。へつらう。という意味があるそうです。
それにしても、「女」の入った字に碌なのがない。
漢字は男性のものという気がします。
男性にとって悪い意味に使われる字に「女」を入れたのね。
女の悪だくみと書いて「奸」 女でなきがごとしで「妄」
すでに、消光や不佞(ふねい)などの言葉を使う人は「絶滅」?
我々が手紙を通信手段にする最後の世代かもしれません。
倉田紘文の代表句に
「秋の灯にひらがなばかり母の文」
があります。
母である女性の人物像が17文字に浮かび上がり見事だとおもいます。
そして
「秋の灯にひらがなばかり母へ文」
遠くの母へ出す手紙
テレビなどで拝見する倉田さんは、それは優しそうな方でした。
確かこの夏、亡くなられたと承知しています。
上記の方へ手紙を書き終えました。
結局、おバカな近況報告になってしまいました。
え~い。ポストへ投函。
いい度胸してるわね。おたまちゃん。
ご無沙汰している人に手紙でもかこうかな
自分が貰ったら・・やっぱりうれしいから・・
あ。このブログのURLに使っているnurebumi
濡文ってラブレターのことなんですよ
どうでもいいっか
サイドバーのバックナンバーをクリックすると全記事がご覧になれます。
2009/9~2013/8 の記事はコチラです⇒http://nurebumi.cocolog-nifty.
| 固定リンク
「俳句・吟行」カテゴリの記事
- 六甲山頂レストランにて(2022.07.16)
- 六甲山上へ(2022.07.15)
- 花言葉は「うれしい知らせ」(2022.06.02)
- みやびな梅林めぐり(2022.03.09)
- 俳句2021まとめ(2022.01.06)
コメント
おたまさん、こんにちは
消光 知りませんでした
が、PCの漢字変換、9番目に出ていました
Word辞書、恐るべし
現代では生きることが難しく複雑で、
一日の終わりを 消光 と表現するのに
あまりに現実感があり寂しい気がします
生きていく事がもっとアクティブだったなら
遜って 消える と言ってもお釣りがあるのかも
なぁ~んて
投稿: るべる | 2014年10月 9日 (木) 12時09分
消光・・・始めて知りました。
濡文・・・これも知りませんでした。
今日、大津絵でうみつむぎという言葉を
教えてもらいました。
お料理やお裁縫のことらしいけど・・・
日本語は奥が深いですね。
いい手紙、かきたいですね。
投稿: kimi | 2014年10月 9日 (木) 15時04分
おたまさん
ハイ・ブロウで、ついていけない。
でも、惹かれるので、読んでしまいます。
これからも、よろしくお願いします。
投稿: やまあらし | 2014年10月10日 (金) 05時47分
ワタクシの一日など儚いものでございます。
なんていいですよね。
これが「泡」だったら悲しすぎるけど「光」だから「消えるが無くならない」っておもいます。時は永遠に流れる。
「今」の大変さは、その時その時の「今」も同じだったのかも知れませんよ。
生きるのは時を刻むこと。一瞬を全うするのも流されるままも平等に時は流れる・・・
きゃは。反省しよ~っと。
うみつむぎ・・初めてしりました。
いろんなこと知らないままで死んでいくのね。あたくし。
紡績って書くそうですね。
白川先生の辞書。買おうかしら・・。
昔、ある人に「静」の本当の意味を知っているか聞かれたことがあります。
話、長くなるから・・やんぴ。
ついてくるかい。何も聞かないで。
ついてくるかい。過去のある俺に
by 旭・小林
アキラのハイトーン。衰え知らずですね。
今後ともよろしくテキトーに読み流してやってください。
投稿: おたま | 2014年10月10日 (金) 08時52分
<消光>が日々を過ごす意味なら、夜の暗闇で光が消え、人生は消光の繰り返しと言う事なのでしょうか。日々を繰り返しながら光(生命)が弱って行ってる感じがしました。最近、ウツかしら。。
投稿: アンヘラ | 2014年10月11日 (土) 00時24分
ひとそれぞれに言葉の受け取り方がちがうのですね。
私はメビウスの輪のように感じます^^
投稿: おたま | 2014年10月11日 (土) 08時50分