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2014年8月 6日 (水)

8月6日。住井すゑの言葉


baseballbaseball


その小柄な女性は紺色の和服に身を包み舞台下手から登場した。
手には赤いうちわ。
演壇へと進むその人に会場を埋め尽くす人々から大きな拍手とどよめきが沸き上がった。
場所は埼玉県立体育館。
冷房設備のない館内は熱気でむせかえるようだった。

今から30年近く前の夏のことだ。

M


その人の名は「住井すゑ」
60代のすべてをライフワークである「橋のない川」の執筆に注ぎ込み、当時80歳を超えておられた。
なので、住井さんのハナシが直接聞けるのは今のうちよ、と言われ仲間のカンパにより代表として新幹線で送り出されたのである。

(非核・平和という人類共通の目的のための運動に理論闘争やイデオロギーが介入することに嫌気がさして、その後このグループとは距離をおくのであるが・・)

clover

住井さんの記念講演は力強く暖かいものであった。

其の中で、広島の原爆死没者慰霊碑の碑文にふれられた。

 「安らかに眠って下さい
       過ちは 繰り返しませぬから」

「過ち」の主語については色々なところで論争を招いているようだが、
住井さんはあくまでも歴史的見地に基づいており、
「人は人として生まれそれ以上でもそれ以下でもない」という絶対平等の立場からの発言であった。

すなわち、過ちを犯したのは誰であるのか。
この過ちの責任者は誰であるのか。
誰が誰に対して誓っているのか、
本当に誓うべきは誰なのか。

N


clover

戦後民主教育をうけたはずの我々でさえ、被爆国としての悲惨さは習ったが、その戦争を仕掛けたのは誰であったのか。国際法を破り奇襲攻撃で戦争を始めたのは誰であったのかということは、あいまいである。

8月6日。8月9日は習うが12月8日はあいまいなのである。

自虐史観という一部の人にとって好都合な言葉が飛び交っている。
拘りや囚われから自由の翼を広げ考えを巡らせてほしい。
事実はシンプルだ。

物事は360度から見なさい。
歴史から学びなさい。

この日の講演は、その後自分が学び考え実践していくうえで大きな転機になった。

clover

戦中の自己批判をしなかった、ということで住井すゑの死後いくつかの新聞に取り上げられていたが、少なくともあの時の住井すゑは、参加者である我々を励まし勇気づけた。

   「反核反戦は宇宙の法則」であると。


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baseball2009/9~2013/8 の記事はコチラです⇒http://nurebumi.cocolog-nifty.


ドイツのばあさん様へ。
弊ブログをお読みいただいているでしょうか。
ヘルブラウさんのところで「政治に関することを書くのをやめたと言っていたおたまが・・」という一文を寄せてくださっていました。
おっしゃるとおりです。日本人の気質や、諸々について海外の空気に触れると考えさせられることが多々あります。
政治信条をブログ記事として書くことは大変に難しいですが、世の中全体を諦めず、絶望せず、自分の日々で出来ることには取り組んでいきたいと思っています。
そう言う意味でおたまは元気ですgood

コメント機能の不備で申し訳ないです。
暑い夏。お健やかにおすごしくださいませ。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。

住井すゑさん懐かしいお名前が目に留まり伺いました。
私が高2だったかな、学校で映画「橋のない川」を見に行きました。
その感想文を書いて、朝日新聞社賞を貰ったことを思い出しました(笑)
その後、本も読みました。

学生の頃「原水禁大会」に行きました。
その時の友人の一人が被爆二世だったのですが、彼女はそれを隠していました。
今もその話をしてくれた彼女の顔をはっきりと憶えています。
もう69歳になっていますね。

今日そのことをブログに書こうと思ったのですが、なんとなくやめました。

たまたま、こちらに来て、
>世の中全体を諦めず、絶望せず、自分の日々で出来ることには取り組んで

この言葉に勇気をもらいました(^_^)v

ありがとうございます。

投稿: マモエ | 2014年8月 6日 (水) 09時15分

baseballマモエさん
感受性の豊かなころに色々なものや人に出会うことはその後の自分に大きな影響を与えますね。
マモエさん自身に「感じ取る力」がおありだったことも幸運でした。

「橋のない川」(本も映画も)については作者の応援賛歌の立ち位置が「きれいごと」すぎる気が個人的にはしています。
事実被差別側の人達には支持されていないようです。
とはいえ(差別側の)多くの人達に「差別」という人類普遍の問題を提示された功績は大きいです。
私も全6巻(当時は)夢中で読みました。
藤村の「夜明け前」とまったく異質だとおもいました。

住井さんの根幹には幼いころからの「なぜ?どうして?」があり生涯貫かれたことは敬服に値します。
誰でも、そのことを覚えていれば大人になっても(婆さんになっても)自分が何をどうしたいかは決まってくると思います。マモエさんも、私も・・。

baseballDさん
思い出しました。
あの講演で「福沢諭吉のあの言葉は男の限界」と言ってはりましたcoldsweats01
すみませんhappy02
私も諭吉が平和主義者であったとは思えません、
オブラートに包んで包んで書くのはしんどいです。まんまやったら某女史より過激かも知れません。
私もたまに覗きますが、彼女のニュースソース何なのでしょうね。

投稿: おたま | 2014年8月 7日 (木) 06時51分

住井すえさん、懐かしい。

昔、貪るように読んだ。素晴らしい人だ。

エピソード、ひとつ。

ある講演会で、「イヤリングをしてるかた、

いかがなものでしょう。」否定的な発言。

投稿: やまあらし | 2014年8月 7日 (木) 07時41分

おたまさん、お久しぶりです。
この暑いなか、記事を読んで身も心も引き締まりジーンと
した思いに・・暑さがどっかへ飛んでゆきました。
「人は人として生まれそれ以上でもそれ以下でもない」
「反核反戦は宇宙の法則」であると。
説得力ありますね。ペコリ

投稿: | 2014年8月 7日 (木) 18時11分

baseballやまあらしさん
面白いことを覚えていらっしゃるのですね。
前後の文脈(話)を聞いたらもっと面白そう。
あの方は生涯イヤリングはなさらなかったでしょうね。

baseballDさん
ふぁーい。それで行きますhappy01

baseball風さん
住井さんは老子に傾注されていたのでその思想もスケール感がありました。
ああいうふうに「言い切れる」強さはどこから来るのかとおもいます。
本当に小っちゃなおばあちゃまだったですよ。

投稿: おたま | 2014年8月 8日 (金) 07時25分

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