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2013年10月20日 (日)

十月花形歌舞伎・夏祭浪花鑑

   


大阪松竹座。十月花形歌舞伎を観てきました。

まずは夜の部。
「夏祭浪花鑑」(なつまつりなにわかがみ)

 

十月の「夏祭」というのは微妙だな。
南座の顔見世で「鳴神」やるようなもんだな。
とぶつぶつ言いながらやってきた松竹座。

この日は「有難い?ことに」日中温度30度近くあり、なんとか気分を盛り上げることが出来ました。

あらすじは

三人の男が忠義のためにどんならん主君筋の息子を守り抜く。男をかけて義を通す。
女房達も必死で夫をささえる。そいうはなし。

みどころは

その①なんといっても「殺しの場」
殺るも殺られるも血まみれ泥まみれ。究極のグロの美を堪能

その②男のかっこよさ。男侠(おとこだて)に惚れ惚れ

その③それに負けない女侠(おんなだて)

  のはず・・なんだけどね。

この芝居。とっかかりに客にため息をつかせる見せ場がある。

長らくのムショ暮らしでレゲエのオヤジ化した主人公・団七九郎兵衛が髪結床から出てくる瞬間である。
目を見張るほどの男っぷりに変わっている。

「誰でもねえ。おれでえす」と見えを切る。

キャ~~~。かっこいい
この人この人が今からお芝居始めるんだ。
いよっ!待ってました

 

とならなきゃいけない。

残念ながら愛之助に「ハッ」とできなかった。
というのも、レゲエっぷりがすがすがしすぎるよ。
ほんまにラブリンなの?というくらいの汚れに徹しておいてもらいたかった。

芝居の冒頭からこれだけ愚痴ってたら、先はどうなることかと思うけど、
ブログの「歌舞伎カテゴリー」は備忘録だから、淡々とつづっておきませう。

最大の見せ場「殺し場」なんだけど。

団七の総刺青の裸身に真っ赤な褌。

一つ一つの見得を決めながら死へと追い詰めてゆく。
泥の中にのたうち回るのは舅・義平次
祭囃子を背景に血汐に赤く染まってゆく団七の身体。

 

ホンマは、ぞくぞくするええところなんやけど・・・
さまざまな見得の連続に客席が目を奪われるはずなんやけど・・

一つの見得で客席が「ふ」と一息ついてから次に着手してほしいもんだ。
専門的に言えば。「間」が悪い。

凄惨さに欠ける。
なんで?なんでやのん。泥が足りんの?血が足らんの?
泥田から上がった義平次になんで笑いがおきる?

それは、観客のせいなの?
「半沢直樹」でラブリンを知ったという、歌舞伎ビギナーの勘違い?

本水(ほんみず)のところ(井戸水で汚れた体を洗う場面)でも、団七!もっと思い切って水をかぶらんかいな!
客席に泥と血汐のにおいを感じさせて欲しいよ。

そうそう。話はもどるけど、団七が舅にキレル瞬間。
あそこもあっさりしすぎ。
舅に雪駄で眉間を打たれる。
舅ゆえに耐えに耐えてた団七が眉間の傷から出た血を見た瞬間・・。

あそこで場面が転換するわけだから。
キチンとキレてほしいです。
そうじゃないとあとの説得力がない。

さらに、ぶ~ぶ~と続きます。
ごめんね。もうちょっとやし・・・

あと、いろいろ書きたいけど
三人男のうちの一寸徳兵衛。中村亀鶴は(当然かも)亀鶴の息子さんなんだ。
先代亀鶴は天王寺屋を名乗っておられたが、今回の番付では八幡屋になっていますね。

私の贔屓だった富十郎の母親違いの弟の子どもさんということになるのかしら・・
この方。とにかく口跡がいい。役者は一に声です。
姿もいい。

なんなら、愛之助と変わって団七やらせてもらえばよかったのに・・

伯父・富十郎も力があるのに長い間役が回ってこなかった。
歌舞伎の世界ってそういうこと。

三人男の三番目は。釣り船三婦。翫雀さんでした。
年はとっても、昔鳴らした男侠(おとこだて)。
やっぱり、いい男はいつまでたってもいい男だね~。
と目を見張らせてくれないと駄目やん。

 

そんなにコロコロしてたら・・・アカン。

 

仏のさぶが数珠を捨てさっと着替えてチンピラを追っ立てる場面
あそこで、男の色気大放出で客をくらくらさせないとアカンでしょ。

じいさんと思ってたけど、やるやんって・・

この芝居。
絵画のような凄惨な場面。歌舞伎ならではの様式美。
スカッとした心地いい男だて。

歌舞伎の醍醐味を堪能させてくれるはずの演目なのに・・

物足りなかった。不満足。

20年前(H4・7月)今は無い道頓堀・中座で「夏祭浪花鑑」を観た。

団七九郎兵衛・中村勘三郎(当時勘九郎)
一寸徳兵衛・坂東三津五郎(当時八十助)
釣船三婦・市川左団次

で、みた。

頬に焼きごてを当て女の心意気を見せたお辰は勘九郎の二役。

(うちの人が好きなのはココ(顔)じゃない)
ポーンと胸を打ち「ここじゃわいな」
胸のすく場面だ。

団七の女房お梶は、元気だった沢村藤十郎が演じている

当時の勘九郎は今の愛之助と同年代だ
どうしても比較してしまう。
大阪が舞台の芝居でありながら登場人物は江戸の世話物のスカッとしたいなせな部分を見せて欲しかった。

今、歌舞伎は手薄な「時期」なのかなあと思う。
仁左衛門も病気休養のニュースがはいってるし・・

団七・愛之助 徳兵衛・亀鶴 三婦・翫雀 お辰・吉弥
お梶・壱太郎 義平次・橘三郎

 

めげずに「昼の部」もアップしまっせ

 


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コメント

夜の部、見てないけど、よくわかりましたぁ。
私も昼の部も間が悪いと思ったもの。
手薄な時期・・・納得。
昼の部のアップ楽しみでーす

投稿: kimi | 2013年10月20日 (日) 09時31分

kimiさん
昼の部行かれたのですね。
なんだかね・・・
今年に入って、いいお芝居に当たっていない感じです。
楽しみな人は2・3いるんだけど、そこまで命が持つか・・とほほ。

投稿: おたま | 2013年10月20日 (日) 11時40分

今回の大阪の公演はそういう感じだったのですね^^;
手薄なのはよく解りました、悲しいけどね。
でもでも名古屋の橋之助さんはカッコよかったです!
そしてそして・・・
私はあまり愛之助が好きじゃないかも^^;
ちょっと中途半端な気がしちゃうのです。
勘三郎のようにもっと派手に遊んだら
「芸」も身に付くのかしら??って思っちゃいます。
あは、これって落語の世界もそうかも。

投稿: こご | 2013年10月20日 (日) 17時18分

こごさん
橋之助は「古風な」雰囲気を持っていますね。ああいう人の存在は大事だと思います。

愛之助は基本「いい人」なのだと思います。
器用なので「ニン」ではない役もやってしまう(やらされる)
崖っぷちアイドルが彼を育ててくれるのに期待いたしましょう(-_-;)

投稿: おたま | 2013年10月21日 (月) 08時44分

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